元銭湯を再生、体験型アートの空間 日本の創造性をレガシーに

東京・根津にある昭和の佇まいが残る元銭湯で、体験型アートのイベントを開催。銭湯は、あらゆる人が落ち着ける「コミュニティの場」であり、その価値を活かして、多くの人が集まる「創造的な空間」をつくり出そうとしている。

永野 達也(CIRQ Inc. 代表取締役)

政府は今、2020年以降を見据え、文化的なレガシーの創出に資する活動を「beyond2020プログラム」として認証する施策を進めている。

同プロジェクトに認証された取り組みの1つに、街の元銭湯を創造的な空間に再生したユニークなプロジェクトがある。1951年に開業した東京・根津の銭湯「宮の湯」をアート・エンタテインメントの場にする『HiTAKiBA(ヒタキバ)』だ。

クイズで楽しむ体験型アート

『HiTAKiBA』という名称は、火焚き場に由来する。『HiTAKiBA』は過去2回、2017年4月~5月と12月に開催され、浴槽や洗い場、脱衣場のほか、普段は入れない釜場などで、アーティストが作品を展示。洗い場に透明なクジラがいたり、金の便器が鎮座していたり、湯船が天国と地獄になっていたりなど、非日常的な空間がつくり出された。

体験型のエンタテインメントにもなっており、第1回の『HiTAKiBA』では、脱衣場のロッカーに隠されたクイズを解きながらアートを鑑賞する仕掛けを用意した。

『HiTAKiBA』を企画・プロデュースするCIRQの永野達也氏は、「誰もが気軽にアートの世界に浸れるようにしました」と語る。

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