『組織は変われるか』つながりの形を変え、次なる変革の力に

ーーー著書 『組織は変われるか』のテーマである「組織開発」とは、どのようなものなのでしょうか。

一言でいえば、人と人の関係性に働きかけるアプローチです。上司と部下、経営者と若手、異なる部門の人が本音を言い合えて、真に協力できる関係を築く。そうすることで、活力ある健全な職場になり、組織能力を遺憾なく発揮できます。

ーーーなぜ今「組織開発」が求められているのでしょうか。

日本の大企業は「過去最高益」にわいています。一方で、従業員意識調査を行うと、活性度や健全性が著しく低下しています。私が支援している会社でも、「言いたいことが言えない」「職場の風通しが悪い」といった声が、現場社員から各層のマネジャーまで数多く挙がっています。まさに先ほど申し上げた「人と人の関係性」という問題に直面しているのです。

ーーー加藤さんは国内外の様々な企業を支援されているとお聞きしました。日本企業が組織開発を行ううえで注意すべき点は何でしょうか。

最大のポイントは、「階層重視・合意尊重」という日本固有の組織文化を十分に踏まえることです。階層重視というのは、上下関係の強さを意味します。課長にとっては部長、部長にとっては本部長の意向が強く影響します。また合意尊重とは、組織内でコンセンサスがちゃんと形成されているかどうかを重視することを意味します。この2つの特徴をおさえるために、日本企業の組織開発では「経営トップから始める」「各層の合意を得る」ことが原則だと考えています。

ーーー最後に、本書を一番読んでほしいの はどういう人でしょうか。

組織に対する責任感と健全な危機意識を抱く、30代から40代の方々にぜひ読んでいただきたいです。組織を変えるのは、コンサルタントでも経営トップでも役員・部長層でもなく、若手・中堅の有志たちです。「このままで、うちの会社は大丈夫なのか?」「自分が何とかしなくては」そうした気概を持つ方々にとって本書が一助になればという想いで執筆しました。

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