JAL JAPAN PROJECT 地域の持続的活力を生み出す

地域の魅力を発信し、新たな観光需要の創出をねらう日本航空(JAL)の地域コラボレーション企画「JAPAN PROJECT」がスタートして6年が経つ。2年前からは地域に継続的に活力を生みだす取り組みへとステップアップし、息の長い効果を地域に生み出すべく進化を遂げている。

二木真 日本航空 宣伝部企画媒体グループ長

JALは、自治体や企業と連携し、自社が運航する各地域の風景、文化、食、人の魅力を内外に伝える「JAPANPROJECT」を2011年5月から展開している。毎月1地域ずつ計32都道府県、4都市を取り上げ、機内誌や機内エンターテインメント、WEB、SNSなどを活用し国内外へ情報発信を行うとともに、機内食やラウンジでの食の提供、旅行商品の開発などで、地域への誘客、交流人口の拡大に取り組んできた。「地域活性の輪が生まれるなど一定の役割は果たすことができたのですが、1ヵ月ごとの企画ということもあり効果は限定的な面がありました」と、スタート段階からプロジェクトを統括する宣伝部企画媒体グループ長の二木真氏は語る。

そこで、15年9月からは「新・JAPAN PROJECT」として再始動。従来の地域プロモーション中心の活動にとどまることなく、地域に人を集め、交流を促す企画の立案、運営を行うほか、地域産品の開発・販売なども手がけ、人をさらに呼び込む好循環を生み出すことを目指している。具体的なテーマは「観光振興」と「農水産物の6次産業化」だ。

前者では観光資源の価値向上や発信、アクセス向上に加え、同社が長年培ってきたおもてなしのノウハウを生かし、通訳ガイドやおもてなし人材の育成にも着手。例えば、同社秋田支店は秋田銀行と地域経済・産業の活性化に関する連携協力協定を締結し、 協働事業の第一弾として、女性経営者・従業員などを対象とする「おもてなし力」や「職業意識」の向上を目的とした講座を実施している。

また、後者では地域産品の発掘、特産品の共同開発とともに担い手の確保・育成にも取り組む。一例として、青森県とタイアップし同初の特Aランク米「青天の霹靂(へきれき)」を成田・羽田のJALファーストクラスラウンジで提供するなどブランド化を後押ししている。

 「モノやノウハウを地域に根付かせることで継続的に効果を生みだすことをねらいました。それによって地域のファン、リピーターを増やして地域の経済を活性化し、さらには、雇用の創出にもつながり、地方が活気づくような良い循環づくりをお手伝いしたいと考えています」と二木氏は語る。

ホノルルマラソンの模様

第28回 泉涌寺音舞台の模様 Ⓒ毎日放送

地域資源を活かし継続できる
「仕組み」を生み出す

JALは、「JAPAN PROJECT」の以前から、国内外を問わず地域の資源を生かしたイベントを企画、運営し、根付かせてきた歴史を持つ。

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