2017年12月号

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おむつ交換に介護予防 広がるAIの利用、人材育成の協議会発足

月刊事業構想 編集部

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2017年9月に開催された国際福祉機器展のワイズマンのブース。おむつAIを紹介した

おむつAI、介護予防拠点AI

なじみのない技術で、どこか遠くで実用化が進んでいるようなイメージすらあるAIだが、その応用は、非常に身近なところで進みつつある。例えば、高齢者の排泄の世話だ。

電子カルテや介護用ソフトを販売するワイズマン(岩手県盛岡市)は、高齢者のおむつ利用を最適化するための「おむつ最適化支援AI」を2017年11月下旬にリリースする。ケア記録や、高齢者のバイタル記録のデータを、IBMの予測分析システムでモデル化し、最適化されたおむつの使い方のプランを提示する。

実際に高齢者施設で使用したところ、夜間のおむつ交換がゼロになり、また定時交換で7回実施していた1日のおむつの交換回数を4回に抑えることに成功したという。

また、介護を必要とする人をなるべく減らす、介護予防のために、AIを使おうという試みも始まった。羽咋市、日本電気(NEC)、金沢大学は、9月26日に連携協定を締結。まず初めのプロジェクトでは、羽咋市内11カ所の公民館を中心に、住民の健康状況などをIoTによるデータ収集やAIにより可視化、分析。市内の町会にある介護予防拠点をデータに基づいて効率的に運営する計画だ。

提携式に参加した金沢大学の福森義宏理事・副学長、羽咋市の山辺芳宣市長、NEC北陸の仲谷弥支店長

深層学習の協会を設立

高齢化と人口減少が進む中、今後、AIが高齢者ケアの一翼を担っていくのは確実だ。では、AI技術の担い手は国内にいるのだろうか?

10月4日に、AIのベースとなる技術であるディープラーニング(深層学習)の業界団体が設立された。日本ディープラーニング協会(JapanDeep Learning Association、JDLA)だ。JDLAの理事長には、東京大学大学院工学系研究科の松尾豊・特任准教授が就任した。企業の正会員は、ABEJA、エヌビディア、FiNCなど。

JDLAでは、ディープラーニングを実務に応用できる人材を育成するための資格試験事業や公的機関や産業への提言活動、 国際連携、社会との対話などの活動を行う。

人材不足への危機感が背景

JDLAの設立の背景には、ディープラーニングの産業応用が進む中で、国内では適切な知識や技術を持つ人材が不足している、という危機感がある。同協会では、ディープラーニングを使いこなすために必要なスキルと、学ぶべき内容を定義することで、ディープラーニングを学びたい学生や社会人の指標となることを目指す、としている。

具体的には、エンジニア向けと、事業企画者(ジェネラリスト)向けの2種類の資格試験を実施して、技能を認定する。同時に、ディープラーニングに関するトレーニングを行う教育認定機関制度を設け、人材を育成していく考えだ。

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