上場ベンチャー対決! サイバーエージェント対GMOインターネット

1990年代、黎明期のインターネットの可能性に注目したベンチャーは数多かったが、インターネットでの事業は収益に結びつきにくいと言われた。その中で、GMOとサイバーエージェントは時代の波を的確にとらえて成長。上場によって体力を上げ、次々と新機軸を打ち出してきた両社の現状を見る。

上場を力に成長し続ける二つのネットベンチャー

サイバーエージェントの代表取締役社長 藤田晋氏は、「21世紀を代表する企業を創る」という目標のもと1998年に起業。「クリック保証型バナーシステム」の成功で急成長し、2年後には、インターネット広告業者として初の東証マザーズ上場を果たす。まさに21世紀ビジネスの基盤となりつつあったインターネットにビッグウェーブを創り、その波に乗った形だ。業績が伸び、業務が拡大すれば、投資家に応え、後進を育成する必要がある。そのために上場は最適の選択であり、必然の成り行きだったと言える。

サイバーエージェント設立の7年前、GMOインターネットの代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏は、同社の前身・株式会社ボイスメディアを設立。GMOはインターネット普及期に地歩を固め、1999年、独立系インターネットベンチャーとして初めて東証1部に上場する。その企業理念は「インターネット産業の中で圧倒的『一番』になる」「すべての人にインターネットを」。主にドメイン登録などインターネットのインフラ関連分野に注力し、グループ企業を次々と上場させている。上場が必ずしも唯一のゴールではないものの、その右肩上がりの成長は、インターネット関連ベンチャーが信用度を上げ、人材を集めやすくするうえで、株式上場が威力を発揮することを証明していると言える。

昨年から「AbemaTV」への投資を強化して新たな事業に進みつつあるサイバーエージェント。レンタルサーバーなどインターネットの「場」を提供する一方で広告や金融事業の足場をますます固めつつあるGMO。上場による企業の成長を目指すアントレプレナーにとって、インターネットの普及、そしてスマートフォンの普及とともに進化を続ける二大ベンチャーの歩みには、様々なヒントがあるかもしれない。

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