全国から人が訪れる「限界集落」 多様性をつくり続ける

宮城県石巻市雄勝町は、4,300人だった人口が震災後1,600人に減少。少子高齢化、過疎化が進み、地域課題を抱える代表自治体の一つだ。この町に、全国から訪問者が絶えず来る。その人数は年間1万人に達するほどだ。

人を呼び込む中心となっているのが、2015年にオープンした、こどもの複合体験施設「モリウミアス」。2002年に廃校となった桑浜小学校を、震災後の2013年から約5,000名のボランティアと卒業生の雄勝町の人々によって修復・改装し、オープンした。「子どもと町の未来をみんなでつくること」を目指し、一次産業や自然体験、暮らしを通してサステナブルに生きる力を育む体験プログラムを提供。運営を行うMORIUMIUSの代表理事・立花貴氏は、都心の民間企業で20年間働き、震災後に雄勝町へ移住した。

「もともと地域活性やモリウミアスのような場をつくるビジョンや計画があったわけではありません。故郷である宮城が被災し、家族の安否確認で帰郷したことがきっかけです。現場に行ってはじめて、故郷に元気がないことを知り、同時に、地方行政や一次産業の状況、高コスト体質なまちづくり、仕事をしたくても働く場がないという現状に、違和感を感じました。故郷から日本の地域を変えていきたいと強く思い、移住し、活動を始めました」

多様性ある環境をつくる

最初の1年は震災復興の意味合いもあったが、2012年以降は「地域の課題をどう解決していくか」に重点を置いている。活動には3つの軸がある。「持続可能性」「多様性」「地域性」だ。

「『パーマカルチャー』という概念は、人が暮らすことで土地が豊かになる、という考え方です。それは人間の生活でも同様で、異分子を取り込み、多様性のある環境が持続可能な雇用を生み出す事業につながると考えます」

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