元営業マンが挑む 野菜・フルーツの海外販路開拓

農業者が組織したブレンドファーム。良い品を作るだけの農家から、自分たちの決めた価格で販売するMD(マーチャンダイジング)力を備えた農業への脱皮を図り、海外での販売実績を“逆輸入”することでブランドを磨こうとしている。

農家の常識は、営業マンの非常識

「BtoBビジネスでありながら、生産者側に価格交渉権がないなんて......」京都府京丹後市にて父親が経営する白岩恒美農園を手伝うことになった白岩千尋氏は愕然とした。メーカーの営業職として10年間、ルートセールスや新規開拓で実績を積み上げてきた視点から見ると、農業の“常識”は非常識に思えたようだ。

そこで白岩氏は、地域の若手農業経営塾の仲間らと語り合ってみることに。すると、JAや市場任せで決まった価格を一方的に押し付けられるシステムに疑問を抱きつつも、長年続いてきたシステムを変えようと一歩踏み込める人は少なかった。また、農業活性化の戦略について意見を交わすと、白岩氏と同じように「もっと販売に重きをおくべき」と考える者と「生産者として良いものを作ることに打ち込みたい」者とに二分した。

「だからこそ、みんなで一緒にやりたいと思ったんです。ブレンドファームという名前は、いろいろな農家がブレンドされることでより進化していきたいという願いを込めて付けました。ブレンドの比率は生産が51%で営業が49%といったところ。営業が生産を超えることはありません」と語るように、しっかりしたモノづくりがあってこその営業戦略が基本となっている。

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