業務支援と情報共有を両立 森林管理はクラウドの時代へ

広範囲に分布する森林の管理には、都道府県、市町村、森林所有者、林業事業体など、多数関わる。複雑な森林管理を支援する新しい森林マネジメントシステムが、パスコの「森林GISクラウドサービス」だ。

PasCAL森林で実現する「緑の循環システム」

 

人工衛星や航空機などから収集した空間情報を活用し、行政業務の効率化支援や、マネジメントサービスを提供するパスコ。同社はこれまでも森林分野における情報管理の効率化や高度化を推進し、森林GIS(地理情報システム)を19都道府県、177自治体へ導入してきた。

2015年COP21でのパリ協定採択を受け、林野庁では林業から森林管理も含めて一体的な管理ができるような仕組みを目指し、森林法を改正。来年4月から施行される。法改正で大きく変わるのは、森林の位置や整備方針、森林所有者など森林整備に必要な基礎情報を管理する「林地台帳」の作成が市町村に義務付けられることだ。

「林地台帳などの情報を効率的に管理するためには、都道府県、市町村、森林組合といった林業事業体の間で情報を効率的に共有する仕組みが必要です」と、パスコ・事業推進本部の山本愛美氏。

山本 愛美 氏 パスコ 事業推進本部 事業推進部 プロジェクト課

パスコは森林マネジメントシステムのクラウド化を推進するため、2013年度から林野庁が行う「森林情報高度利活用技術開発事業」に参画、森林クラウドの実証システムの開発を進めてきた。同事業で研究開発した技術と、都道府県等での長年にわたる森林GISの提供実績を総合し作りあげたのが「森林GISクラウドサービス」。10月からサービスを開始し、既に導入を始めた都道府県も出ている。

緑の循環システムを構築

パスコ・コンサルタント技術部の島崎浩司課長は「業務の支援と情報共有を両立したシステムであるべきというのが、我々の考える森林GISクラウドです」と話す。

従来の森林GISは業務支援が中心だったが、林野庁の進める森林クラウドは情報共有を主眼に置く。パスコの森林GISクラウド「PasCAL森林」は、都道府県、市町村、森林所有者、林業事業体、森林組合など多種多様なプレイヤーが情報を共有でき、業務の効率化が図れるサービスである。伐採、造林など届け出申請のワンストップ化、LGWANを使用した行政内部情報のセキュリティ確保、高度分析や解析レポートのサービス提供、サーバや専用ソフトが不要になりコストダウンが図れるなど、導入する団体は様々な効果が見込める。「PasCAL 森林」の導入では、まず都道府県単位でのクラウド化(機能統一、データベース統一)を推進。その後、それに紐づく市町村、林業事業体が参加し、情報共有化を図っていくのが理想的な構図だ。

「将来的には隣県との広域連携や、集約された情報を生産情報として木材産業関連企業に公開することで、国産材の利用計画、販売計画作成に対する支援なども視野に入れています」(島崎課長)

島崎 浩司 氏 パスコ コンサルタント技術部 環境森林課 課長

森林に関わる多種多様なプレイヤーを繋げることで「緑の循環システム」を実現する、パスコの森林GISクラウドサービスに期待が膨らむ。

 

お問い合わせ

  1. 株式会社パスコ カスタマーセンター
  2. Mail:biz-info@pasco.co.jp
  3. TEL:0120-494-800
  4. URL:http://www.pasco.co.jp/

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