2016年11月号

10スタートアップ・プロジェクト研究報告

投資対象となる社会性の高い事業を育成

月刊事業構想 編集部

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自身の事業構想を投資家などのステークホルダーにプレゼンし、フィードバックを得ながら、構想計画を進化させていくプロセスは、重要である。事業構想研究所では、「10スタートアップ・プロジェクト研究」を通じて、投資対象となる事業家の育成を行っている。

 

座談会

  1. 岸波宗洋 事業構想大学院大学教授 事業構想研究所所長
  2. 浦野広樹 事業構想研究所研究員、ワイヤーエナジー代表取締役
  3. 合田桂 事業構想研究所研究員、ENERGY CAPITAL HOLDINGS代表取締役
  4. 荒木幸輝 事業構想研究所研究員、アールホーム代表取締役
  5. 守島亜季 事業構想大学院大学修士課程4期生(2015年度入学)、医療法人社団つむぎ会 守島医院 院長・理事長(医師)

 

左から)荒木研究員、浦野研究員、岸波教授、守島4期生、合田研究員

岸波 3ヶ月の期間(第1期)を終えてのプロジェクトに関する感想を、中心となって進めてきた浦野研究員にお伺いします。

浦野 私は、「電力自由化プロジェクト研究」に1年間参加した後に、この「10スタートアップ・プロジェクト研究」に参加しました。動機は、自身としては、ゼロイチで起業して、運良く生きながらえたので、少しでも事業家、経営者のお手伝いをさせてほしいと思ったからです。いままで、事業構想大学院大学の中でなかったベンチャー育成プロジェクトを実施したことに、まずは意義があったのかと思います。14名の事業家が応募しましたが、岸波先生を交えた審査を行ったことで、ネガティブな意見もなく、建設的な議論ができ、自身としても励みになり、モチベーションアップにもなりました。

合田 今回、アカデミックな環境の中で、自分のスタイルとどうやったら合うのかな?と思って取り組んでいました。環境が変わると、見方が変わるし、ほかの経営者の立ち位置も参考になり、自分の立ち位置も見直せました。

荒木 全体としてよかったと思います。具体的なビジョン、構想を持っている方が選ばれていました。ただ、事業内容については、もっと短時間でも判断できるのではないかと思います。迅速にできるようになれば、より多くの人に入っていただくことが可能です。

岸波 最後に14名の中から1名が選ばれました。どのような価値観や指標で、最終的に守島さんの構想計画を選びましたか?

浦野 このプロジェクトは、ゼロからのスタートだったので、はじめは、結果がイメージできませんでした。ただ、継続してきて、スタートさせることにまずは、2つの意義があったと思います。1つ目の意義は、コミュニティー。目指している社会性の高い事業を立ち上げて、事業家として成功することを実現していくのに掛け替えのない場ができました。2つ目の意義は、ビジネスとして強い事業を育てていくことがあると思います。残念ながら、突き抜けるような事業案はなかったと思いますが、次に繋がることになったのがよい。守島さんの構想計画は、合田さんと話していく中で、IoT、ウェアラブルを使うことで、病院の形態が変わっていくだろうことに気づきました。問診しなくてもタイムリーに管理できる未来が見え、未来とトレンドにマッチしているのかなと。さらに、守島さんという人物が、いままでの病院の先生というイメージとは違って、事業家としての面を持ち合わせていました。守島さんの構想計画は、病院の先生であるご自身がやることに意味があると思いました。

合田 私は、自己中心的で、嫌な性格の人とは組みたくない。ビジネスをつくる過程を重視するよりも、ある程度、ビジネスモデルが完成形に近い人と組みたいと思います。

荒木 人間性、実現性、事業性の観点で検討し、最終的には、人間性で判断しました。守島さんは、出発点が明確であり、自身の仕事の中で足りないことが明確な感覚で捉えられていました。

岸波 人間性を重視するという意味では、エンジェル投資の評価指標の基本となるポイント。Airbnbの投資話は有名ですが、ごく簡潔に言えば、人が好きだから20億円投資したというエピソードがあります。言葉ではなくて、非言語的なフィーリングも重要。個人的にもまっとうな考え方だと思います。

今回、守島さんが、応募した動機は?

守島 1年次に知識を得ましたが、今思っていることは社会に響くことなのか、本当に試していいのか?ということが知りたかったです。実際に、投資家の皆さんに、リアルに判断してもらえました。

岸波 参加後の心境の変化は?

守島 事業構想計画書を書く前に、自分自身を見つめることができたのがよかったです。お話していく中、短期間で、いろいろな職種の方から、意見をいただけたので、独りよがりにならず、考えられました。

岸波 プロジェクトの応募者に対してのアドバイスはありますか?

守島 事業家になりたい、と扉を叩いているので、学生は全員応募してほしいですが、外部のかたでも、是非応募する、トライする価値はあると思います。

岸波 第2期目を募集していきますが、応募者に何を期待しますか?

荒木 何かしら少しでも始められている方のほうがありがたい。不足していることを、助けるほうが効率的。まだ、始められていない人は、明確なイメージがあること。参加して、自分の生活が変わり、若い人に負けてられないとも思いました。

合田 スピードが必要。自分のモデルをバラして、結びつけられることこと。自身としては、モノづくりに特化して、アプローチしていきたい。洗練された商品をつくってあげたいと思います。

浦野 大義をもった、熱意を持った人物を期待しますが、それは、今回と変わりません。第1回に欠けていたのは、熱意はあったと思いますが、経営者は、どこか泥臭さが必要ということです。どんなことをしていても負けない、寝ずにやるとか、のたうち回ってでもやりとげる、ということが欠けていたと思います。自分は、起業したときはそうでしたが、経営者として、必要な期間だったと思います。2期目は、このプロジェクトに参画したから、成功したというようにしたい。良い出会いを繰り返していけば、必ず大きくなっていくでしょう。

岸波 第2期は、経営者やイノベーターのコミュニティーを志向し、日本のイノベーションを支えていきたいと思います。現在の日本では、閉鎖された空間で行われていますが、米国などの海外では、オープンです。オープンイノベーション環境の最たるものにしていきたい。そして、集まった人間が、コミュニティーとしてどう機能するか?自分の構想する事業が実現するだけでなく、新たな人と出会うことによって、新たな領域にチャレンジするためのきっかけづくりとなり、そのよい機会となると思います。

第2期 10スタートアップ・プロジェクト研究 参加者募集
 

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