外国人が押し寄せる「観光農園」 農業は「Real Japan」の体験

インターネット黎明期に英語サイトを立ち上げ、外国人への情報発信を開始。フルーツ狩りの観光客だけでなく、農業体験のボランティアとしても外国人を受け入れる。中込農園は先駆的な取り組みを続け、訪日外国人の集客で成果をあげている。

外国人を含め、県外からのお客が、9割以上を占める中込農園。

山梨県南アルプス市に年間1000人以上もの外国人が訪れる観光農園がある。6月~12月にわたり、さくらんぼ、桃、プラム、梨、ぶどうなど、数多くの果物が実り、フルーツ狩りが楽しめる中込農園だ。

全国に果樹園がある中で、なぜ中込農園は外国人の集客に成功しているのか。共同代表の中込一正氏は、「英語とインターネットがカギを握る」と語る。

中込一正・中込農園代表(中央)と、中込農園で働いた外国人研修生、エリカさんとクララさん。中込代表は、アメリカの大学院に2度留学して2つの修士号を取るなど、卓越した英語力を持つ

いち早く英語サイトを立ち上げ

中込代表が自社のウェブサイトを立ち上げたのは早く、1996年だ。その後間もなく、JICA(国際協力機構)のプログラムで農園を訪れた外国人女性のアドバイスで、英語版のウェブサイトを開設した。それも、農園やサービスの概要だけでなく、アクセスの詳細や果物の解説まで、盛りだくさんの内容を自分で一から英語化していった。中込代表の前職は英語教師であり、英語が得意だったのである。

「人がやらないこと、人ができないことをやることで、新しいビジネスは生まれます。インバウンド(訪日外国人)が盛り上がっている現在もそうですが、農業の世界は英語との接点が見つかりにくくなっています。中込農園は、インターネット黎明期にいち早く英語サイトを開設したことで、海外からの問い合わせが急増しました」

さらに、中込代表によると、英語サイトだけでは足りず、電話やメールでの問い合わせから農園に向かう途中の看板、現地での案内まで、すべて英語で対応することが重要になる。

「外国人を案内するには、英検で準1級以上のスキルが必要です。そのレベルで英語ができる人は、人口7万人超の南アルプス市でも0.1~0.2%いるかどうかでしょう」

スタッフを雇うにしても、高い英語力を持ち、しかも農業に興味のある人となると、その数は限られる。中込代表は自ら現場で奔走し、今日の中込農園を築いてきた。

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