「ICカード認証印刷」でコスト削減と情報漏えいを両立

PCからのデータ流出だけを防いでも、情報漏えいのリスクは無くならない。印西市は、ICカードを利用する印刷システムの導入により、セキュリティを強化。併せて、印刷ミスや印刷物の放置を減らし、コストの削減を実現した。

企業でも自治体でも、プリンタやコピー機は日々の業務を支える必須の機器でありながら、一度設置すると、場所や利用状況が適切か把握することなく使い続けてしまうのが実態。

人口約9万人の千葉県印西市の情報管理課では、庁内の印刷ログの取得やプリンタの最適配置などの取り組みを行ってきた。プリンタの入れ替え時に「さらに『ムダ』を減らすためにはどうしたらいいか」を検討する中で、日本テクノ・ラボの印刷セキュリティ・ソリューション「SPSE」の導入を決めた。

紙の持ち出しは追跡が困難

総務部情報管理課情報管理班・立原剛氏は、導入前の状況を次のように振り返る。

「当時は、プリンタは情報管理課、コピー機は管財課と別々に管理していました。それらを複合機に置き換えれば、必然的に台数が減りますから執務室を広く使えますし、管理する部署を一元化できるので運用コストも下がります。議論を進める中で、管財課が管理していたコピー機を情報管理課の管轄へ移し、複合機へ移行していこうという流れになりました」

立原 剛 印西市 総務部情報管理課 情報管理班

さらにプリンタやコピー機を使用するうえで、大きな問題となるのが、情報漏えい防止などのセキュリティ対策。PCからの情報漏えいの場合、通信ログ(記録)が残っているため、その足取りをつかむのはたやすい。しかし印刷した紙を庁舎の外へ持ち出された場合は、その跡を追跡するのは困難。デジタル化が進んでいる現在において、情報漏えいの危険が高いのは、実はPCよりも「紙」なのだ。

「特に印刷物の放置が問題です。以前は庁舎内を回ってみると、誰も取りに行かない印刷物が、プリンタ周辺にいくつも置かれていました。印刷ボタンをクリックした後に電話がかかってきたりすると、取りに行くのを忘れてしまうこともあります。また、印刷物が大量に次々と出力されていると、印刷物の取り違えも発生します」

情報漏えいの危険が高いのは、実はPCよりも「紙」。放置された印刷物から、漏えいにつながる恐れがある

「どこでも印刷」で業務効率化

印西市は、ICカード認証印刷のシステムを導入。これにより、職員は複合機のところまで行き、各自のICカードで認証しなければ印刷できないようになった。目の前で出力されることになるため、印刷物の放置は撲滅する。

また、どの複合機からも、ICカード認証で印刷できる「どこでも印刷」機能を導入したため、印刷中の複合機があるときは、それを避けるなど業務を効率化できる。

さらに、「SPSE」は純正ドライバーで「どこでも印刷」ができるため印刷が保証される。

「放置印刷が減るとともに、『誰が・いつ・どのくらい印刷したか』というログを残せますので、余分な印刷や私的な印刷の抑止効果を生み出し、印刷枚数の削減にもつながります」

管理負担、印刷コストを削減

印西市では今回、庁内情報系プリンタ22台を見直し、10台の削減に成功した。また、これまでプリンタやコピー機の不調やトナー切れなどの保守・管理は庁内の担当職員が行っていたが、複合機に替えたことに伴い、民間の事業者に任せた。

「自分たちの負荷がかなり軽くなりました」

管理負担は減り、セキュリティは向上。さらに印刷量の削減目標値として20%を想定、印刷コスト削減も達成できる。印西市では、新しい印刷システムの導入・運用によって、情報漏えいリスクの排除による効果も含めて、5年間で約200万円のコストメリットがあると試算している。

「今後は、住民票を扱う基幹系システムにも導入したいと思っています。マイナンバー制度が始まったこともあり、セキュリティ対策をより万全のものにする必要があります。また、さらにセキュリティ強化のために印刷内容が把握できるテキストログの運用も検討しています」

「SPSE」の導入をきっかけに、業務のあらゆる側面で、職員のセキュリティ意識の向上も期待されている。

印西市は、印刷指示した本人が、ICカード認証をしないと印刷しない仕組みを導入し、印刷物の放置を撲滅した

Column

マイナンバー時代の自治体に適した印刷基盤

セキュリティとコストの両立

「SPSE」はマイナンバー制度の導入により今後、自治体に求められる個人認証や監査・検閲可能な印刷セキュリティと、印刷状況の見える化による印刷機器の最適化や印刷量の削減などコスト削減を高い次元でバランスさせた。

印西市は、他の自治体のお手本となる印刷環境の改善に取り組んできた。印刷状況の見える化により機器の台数削減、個人認証の導入により放置印刷や取り違え防止、どこでも印刷による利便性改善、印刷ログによる無作為な印刷の抑止と、遅れている「紙」のセキュリティ対策とコスト削減を実現している。

自治体の印刷機器の調達は入札であるため、マルチベンダー対応は必須となる。「SPSE」はマルチベンダー対応でこれらの要件に対応できる自治体に適した印刷基盤となっている。

 

印刷の見える化によるコスト削減

「SPSE」はPCからの印刷ログと印刷機器からの印刷情報により、部門の印刷量、印刷機器の稼働率、割付印刷状況、拡張子別印刷量など、印刷マネジメントに必要な情報を自動でグラフ化する。

これらにより印刷量の削減目標や機器の台数削減など、管理者に負荷をかけることなく改善活動が推進できる。台数削減による利便性低下を防ぐための「どこでも印刷」の導入は、印西市の事例でも効果が実証されている。「SPSE」の「どこでも印刷」は各メーカーの純正ドライバーを使用するため、既設の印刷品質が保証されることが強みだ。

 

高い次元での印刷セキュリティ

自治体ではUSBメモリーなどの電子媒体からの情報漏えい対策は行われてきたが、同一情報が「紙」になった場合は対策が遅れており、高い情報漏えいリスクがある。

「SPSE」のセキュリティ機能には、印刷ログの取得、個人認証の他、印刷物の内容が監査・検閲できるテキストログ・イメージログがある。

放置印刷、取り違え防止など内部のセキュリティ対策には個人認証、「紙」による外部情報漏えい対策には、印刷内容が追跡できるテキストログ・イメージログが適している。

また、テキストログは無作為な印刷に対し高い抑止効果があり、印刷量削減に最大の効果を発揮する。

 

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