2016年4月号
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身近にあるビッグデータ活用法

地域の「不満」を「楽しい」に まちづくりが動き始める仕組み

藤川 遼介(APITEC 代表取締役社長)

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藤川氏は、地域活性の現場に身を置きながら、さまざまなノウハウを開発。あえて「隙」をつくって、不平・不満の受け皿にし、市民が自発的に動き出す仕掛けづくりを行っていく。

茨城県筑西市で「泥んこバレー」のイベントを開催。市民の企画によって実現し、市民主体のまちづくりへとつながっていった

地域活性が求められる時代であるにもかかわらず、多くの企業・団体が、それを実現できていません。なぜ、できないのか。

私は、大学時代の20歳の頃から地域での活動を始め、卒業後は大学院でも学びながら、多くの地域に関わってきました。

栃木県那須塩原市の駅前活性化プロジェクトでは、市民の意向を事業に反映させるため、2014年12月、伊勢谷友介さんが代表を務めるリバースプロジェクトの一員として、任意のオンライン市民投票を実施。人口10万人都市において、任意であるにもかかわらず、7979票を集めました。注目すべきは、20代以下の投票が総投票数の5割近くに達したことです。こうした主体性が、まちを変える原動力になります。

APITECは、市民が主役となって、まちを動かす仕掛けをコーディネートする会社です。プロジェクトベースの活動で地域課題を解決し、その成果は、ドキュメンテーション化して蓄積しています。

藤川遼介(APITEC 代表取締役社長)

「日帰りできる」ことの価値

そもそも、ほとんどの地域が、自分たちの「当たり前」が、外の人には「当たり前でない」ことに気づいていません。例えば、那須塩原市は、都心部から日帰り圏内で、おいしいものを食べて買い物を楽しみ、温泉で疲れを癒すという、東京ではできない体験ができます。まずは、地元の人たちが、その価値に気づかなければなりません。

「日帰り圏内」というと、東京を基準に考えがちですが、圏央道ができたため、神奈川からでも東京を通らずに栃木に行くことができます。人は意外と、移動の動線を思い込みでイメージしているものです。地域に人を呼び込むためには、東京を中心に考える先入観を捨てる必要があります。地図をクルクル回し、逆から見たりして、あえて中心をずらす。そうすることで、自分たちの地域の価値が見えてくることもあります。

APITECは、同じく「日帰り圏内」である、茨城県筑西市でもプロジェクトを手掛けています。プロジェクトには女子大生も参加し、地元の方と農作業や郷土料理を楽しんでいますが、参加者にはリピーターも多い。なぜなのか聞いてみたら、地域の活動に携わるうえで、泊りがけで行くような場所では親が心配し、許してくれない。日帰りだったら、親も認めてくれるということでした。「日帰りで行けること」が、価値になるのです。

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