データの新ビジネス、離陸へ 新事業創出のトレンドを読む
データは、企業の競争力を左右する「資源」であり、それを戦略的に活用することで、新サービスの創出も可能になる。公共データのオープン化が進む中で、すでに新たなビジネスが生まれ始めている。
――欧米諸国では、オープンデータ化がどのように進んでいるのですか。
村上 アメリカではオバマ政権が発足した直後、2009年に「オープンガバメントの覚書」が出され、2012年にはオープンデータの活用をより重視した「デジタル政府構築に関する覚書」が出されました。
EUではそれよりも早く、2003年にEU全体に対する公共機関保有データの再利用に関する指針が出され、それ以降、各国でオープンデータ化が進んでいます。その背景にあるのは、行政が保有するデータは隠れた財産であり、うまく使えば経済発展に役立つという考え方です。その経済効果は、最大で1400億ユーロという試算もあります。
世界経済フォーラムでは、「データは新しい石油」との言葉も出ました。つまり、ただあるだけではダメで、精製してガソリンのように使えるものにして初めて、価値が出る資源なのです。
特にイギリスは、オープンデータに積極的です。イギリスの主導により、2013年に主要8ヵ国(G8)が「オープンデータ憲章」に合意しました。
これは私の推測ですが、イギリスがオープンデータに力を注ぐ理由は、対途上国の外交戦略にあると思います。政治体制が不透明な途上国も存在する中で、オープンデータは透明化を促す取り組みであり、民主化の推進と腐敗の防止につながります。
日本でもデータ活用が本格化
――日本におけるオープンデータの活用は、どのように本格化してきたのですか。
全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。
-
記事本文残り83%
月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!
初月無料トライアル!
- 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
- バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
- フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待
※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。