工業用テープが女性向け雑貨に マスキングテープ「mt」
文具雑貨店で定番商品となったマスキングテープ。そのブームの火付け役は、地方の工業用テープメーカーだ。女性の声に応えBtoC向けに商品化したことが躍進の契機となった。
創業時はハエ取り紙
工業用テープで大きく成長
マスキングテープ「mt」は、女性ならば知らない人はいないほどの人気ブランドだ。雑貨の装飾やラッピング、アート作品の製作、部屋の模様替え、メモ代わりなどその用途は様々。消費者のクリエイティビティを刺激する、多種多様な色柄を揃えたmtのマスキングテープは、2007年の発売以来、国内のみならず海外でも消費者に高く評価されている。
このマスキングテープが、創業90年を超える老舗工業用テープメーカーのカモ井加工紙から販売されていることは、あまり知られていない。
カモ井加工紙が本社を置くのは岡山県倉敷市。1200年の歴史を誇る備中和紙の産地で、もともと紙関連企業が多いエリアだ。
1923年の創業当初の社名はカモ井蝿取紙製造所であり、社名のとおりハエ取り紙のメーカーだった。1930年には天井吊り下げ式のハエ取り紙「リボンハイトリ」を開発、大ヒットとなる。その後は液体殺虫剤、ネズミ取り器にも進出して日本一の殺虫製品メーカーとなった。
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