オープンデータ活用に281案 東京メトロが知ったデータ公開の力

昨年、東京メトロが鉄道事業者として初めて実施したオープンデータ活用コンテスト。応募総数は281件にのぼり、利便性、快適性を高めるさまざまなアイデアが生まれた。東京メトロが感じたオープンデータのポテンシャルとは。

東京メトロは列車の運行情報や位置情報を1分ごとに配信するオープンデータとして公開した Photo by Rs1421

データをオープンにすることのメリットは、自社だけでは発想できないようなアイデアが、そのデータの利活用を考える他者から出てくることだ。

そのメリットが良く表れた事例が、東京メトロのオープンデータ活用コンテストだろう。同社は昨年9月、創立10周年記念行事の一環として、列車の運行情報や位置情報を1分ごとに配信するオープンデータとして初めて公開した。また、すでにHP等で公開している時刻表や乗降人員数、運賃などの情報もデータ形式をそろえて提供。このデータを活用することで乗客の快適性、利便性が高まるようなアプリを公募した。

自社の想像力を超える、新しいサービスの可能性を求めて

公共交通事業者自らがオープンデータに取り組むのは日本初。ハードルの高いチャレンジに、東京メトロはなぜ、踏み切ることができたのだろうか?

「2020年の東京五輪までに、多言語対応を含めてより広範囲なサービスが必要になります。それを自社で開発するだけでなく、列車情報をオープンデータ化し、他のデータと組み合わせたり、社外のアイデアを活用したりすることで、より革新的なサービスを創造できるのではないかと考えました。これまで、鉄道事業者は安心、安全を第一に運行してきましたが、東京五輪に向けてオープンデータのノウハウ蓄積を図るといった新しい挑戦も必要という判断です。もちろん、世界的にオープンデータ化が盛んになっている流れも意識しています」と、東京メトロ経営企画本部ICT戦略推進室・田浦靖典主任は話す。

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