時間単価失念症候群の解決策 仕事の質を構造化し、自他で評価

第11回【時間単価失念症候群】

時間単価失念症候群とは、時間単価の高い人が単純作業や根回しやセレモニー会議などに忙殺されて、金と時間が無駄になる現象である。自分の給料や役職に見合った時間単価を念頭に付加価値の高い仕事に注力するためには、職場の仕事の質を構造化することと、自らの仕事の自己評価と他者評価による振り返りである。

時間単価失念症候群とは何か?

困った職場や活気のない職場をみると、それなりの役職や給料の人が会議の議事録の作成や加減剰余にも至らないデータ入力を表計算ソフトでするような、付加価値の高くない仕事をしていることに気づく。若手社員や派遣スタッフに任せられる仕事に時間単価の高い人が没入しているのは生産性が低すぎる。

また社内会議ばかりで、会議に出たことや関係者を招集しただけで仕事をした気になっている職場も問題である。そこで重要な意思決定がされたり、新たなアイディアが生まれれば話は別なのだが、出席することが目的化した「アリバイ会議」や儀礼的に集まるだけの「セレモニー会議」は大いに問題である。時間単価の高い役員やリーダーの集まった会議のコストは一体幾らになるか考えて欲しいのだが、困った職場では、仕事の質よりも、量や体裁で仕事をしたと勘違いするのだ。時間単価を忘れた仕事の勘違いが、徐々に職場の力を奪っていくことになり、そうした職場に新たな挑戦やイノベーションを起こせと言っても無理な話である。

時間単価失念症候群の事例

  1. 部下:リーダー、この点についてアドバイスをしてほしいのですが。
  2. リーダー:ちょっと待って、今このデータを入力してるから!
  3. 部下:はぁ。(それは、あなたがする仕事じゃないよ...)
  4. 部下:リーダー、これから営業のプレゼンに同行して下さい。
  5. リーダー:ダメだよ、これから会議に出なきゃならないんだ。常務も出るから欠席は出来ないんだよ!
  6. 部下:はぁ。(最近、会議ばっかりだなぁ。社内営業の方が大事みたいだよ...)

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