「そこにある」素材が発想の源 現場から得るインスピレーション

学校に行かず、家に閉じこもってパソコンゲームに没頭していた田舎の高校生が、上京後、チームラボに入社し、プロダクトチームの立ち上げに携わる。独立後に制作したベンチ型の「空気を読むイルミネーション」は、アワードを受賞した。

「空気を読む」ベンチ型イルミネーション『ChAir』。座る人どうしの関係性によって、光量・色が変化。たとえば、近しい関係にあるカップルと判断した場合は徐々に光量を下げ、ムードを高める

高校時代はろくに学校に行かず、自宅でパソコンゲームに熱中する日々を送っていた。そのうち、自分でもゲームをつくり始めた。自作のゲームを公開すると、思いのほか、多くの反響がユーザーから届いた。「ドロップアウトしかけている」と自覚していた田舎の高校生にとって、ユーザーからの称賛の声は「存在を認められている」という安心感と、期待に応えたいというモチベーションにつながった。

当時を振り返り、「この経験がなかったら、今はないですね」と語るのが、デジタルプロダクトから空間設計まで、幅広い分野でユニークな作品を生み出しているクリエイター、ヤックル CTOの穴井佑樹氏だ。

穴井佑樹 ヤックルCTO / Co-Founder

その場にある素材を活かす

穴井氏は一念発起して上京、千葉の大学に通いながら、アートとテクノロジーを手掛けるクリエイティブ企業「チームラボ」でアルバイトを開始。卒業後は慶応義塾大学大学院メディアデザイン研究科に入学し、在籍しながらチームラボに就職してプロダクト開発を担当した後、2013年に独立した。

全文をご覧いただくには有料プランへのご登録が必要です。

  • 記事本文残り75%

月刊「事業構想」購読会員登録で
全てご覧いただくことができます。
今すぐ無料トライアルに登録しよう!

初月無料トライアル!

  • 雑誌「月刊事業構想」を送料無料でお届け
  • バックナンバー含む、オリジナル記事9,000本以上が読み放題
  • フォーラム・セミナーなどイベントに優先的にご招待

※無料体験後は自動的に有料購読に移行します。無料期間内に解約しても解約金は発生しません。