丸投げ・責任回避から本気の推進へ
第8回 【スルーパス症候群】
自分に来たボールを、受けるふりだけをしてそのまま背後の味方に流すサッカーのスルーパスのごとく、仕事をしているふりだけして、部下に丸投げする上司により組織が混乱・疲弊する現象がスルーパス症候群である。解決策は一旦パスを受け止め自分で咀嚼して次のパスを送ることと、志のある少人数の突破力を磨くことである。「三人寄れば文殊の知恵、四人になれば無責任」、「不毛な組織プレーは百害あって一利なし」である。
サッカー日本代表が新しい監督を迎えて次のワールドカップに向けて始動したが、今回はサッカーのスルーパスをキーワードにしたい。スルーパスとは、サッカーで相手のディフェンスラインを突破するために、相手のディフェンダーとゴールキーパーの間にできたスペースに出すパスをいう。また、「ボールをスルー」するというのは、自分に来たボールを受け止めると見せかけて、実際は受け止めずに、そのまま背後の味方に取らせるプレーである。ここから派生して「スルーする」という言葉がある。スルーするとは、「やり過ごす」とか「何もしないでそのまま流す」ということだ。一撃必殺のスルーパスやトリッキーなスルーパスはサッカーでは有効だが、職場での「スルー」は全く有効ではない。最近職場では、「スルーパス症候群」が増えているようだ。例えばこんな事例だ。
事例1
- 社長:おい君、あの案件、こうしたらどうだ?
- 常務:分かりました。おい部長、あの案件、こうしたらどうだ?
- 部長:分かりました。おい課長、あの案件、こうしたらどうだ?
- 課長:分かりました。おい君、あの案件、こうしたらどうだ?
- 担当:心のなかで(丸投げだよ...)
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