2015年5月号
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共創する人的ネットワーク

人・物・金の高レベルな融合 会計を変えたベンチャー「freee」

忽那 憲治(神戸大学大学院経営学研究科 教授)

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構想した事業を大きく成長させるには、人・物・金の3つが必須である。設計したビジネスモデル(物)を実践するために必要な、資金調達(金)、すぐれた経営チーム(人)をどのように得ていくか。

ビジネスモデルを実践するすぐれた経営チーム

ベンチャー企業のアントレプレナーが事業をグローバルなレベルで大きく成長させようと思えば、人・物・金を高度なレベルで融合させなければならない。人の問題、すなわち設計したビジネスモデルを実践するすぐれた経営チームをいかに組織するかは、重要テーマの1つであることはいうまでもない。しかし、すぐれた経営チームを組織してから創業できている会社はそう多くはないであろう。人・物・金の問題を同時に達成できれば一番良いことはいうまでもないが、なかなかそうはいかない。

人材や資金が限定されているベンチャー企業において、企業成長を目指すためには、まずはターゲット顧客に対して「興奮する」特徴を持った製品・サービスを提供する独自のビジネスモデル(物)を徹底的に詰めることが重要である。人・物・金の順番ではなく、物・金・人の順番でできるだけ迅速に事業を軌道に乗せるための基礎をいかに築くかにかかっている。図1に示すように、(1) 物(ビジネスモデル)を徹底的にブラッシュアップしない限り、(2)金(資金調達)の問題も、(3)人(経営チームの組織)の問題もなかなか解決できるものではない。

出典:忽那憲治『中小企業が再生できる8つのノウハウ』(朝日新聞出版、2010年)24頁の図表2を修正

創業から3年未満で急成長 ベンチャー企業「freee」

スモールビジネス向けのクラウド会計ソフトfreeeを運営し、グローバルベンチャーを目指すfreee株式会社を例に考えてみることにしよう。同社は、2012年7月の創業からわずか3年未満で、従業員数100人を超える企業へと成長を遂げている。創業者の佐々木大輔氏は同社を創業する前は、Googleにてアジア・パシフィック地域のマーケティングチームを統括していた。佐々木氏によれば、Googleでの勤務経験からカルチャー的にシリコンバレーの影響を強く受けているという背景はあるが、グローバルなレベルで展開可能なビジネスモデルを強く意識している。また、こうしたグローバルに通用するビジネスモデルを追求することから、資金調達の問題についても日本の多くのベンチャー企業においては見られない独特のアプローチを取っている。

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