先行モデルエリアへ動く大阪

3Dプリンターの活用は中小企業にどんなメリットを生むのか。大阪商工会議所は「3Dプリンター活用研究会」を発足。導入課題の調査や国への要望書提出など、取り組みを活発化させている。

3Dプリンターの可能性と課題を分析

大阪商工会議所は今年8月、3Dプリンター活用による中小企業の競争力強化を目的に、近畿圏39カ所の商工会議所で構成する「3Dプリンター活用研究会」を発足させた。

3Dプリンターは設計・試作工程の大幅な効率化・スピードアップをはじめ、ものづくりを大きく変革させる可能性を秘めている。「現在、3Dプリンターは、製造業を中心に建築・医療・教育・先端研究などの分野で普及しています。大阪商工会議所のアンケート調査では、回答した中小企業の約3割が使用に前向きという結果でした。

しかし、既に本格的に活用している企業は2.9%、試行的に活用しているところが3,6%と、実際の導入はまだ少ない状況です」と大阪商工会議所・経済産業部の近藤博宣部長は話す。また「中小企業への導入には、自社に適した用途の把握や3Dデータを作成する人材の育成など、本当に多くの課題があります」。

12月の3Dプリンター活用セミナーは中小企業経営者らで満席になった

こうした課題を検証し、対策を打つために3Dプリンター活用研究会は幅広い活動を行っている。3Dプリンター導入企業への見学会などを開催。12月9日には、3Dプリンター活用に積極的な十川ゴム(大阪市西区)とクロスエフェクト(京都市伏見区)の2社を講師に招いたセミナーを開催した。

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