介護の常識を覆す注目ベンチャー

2025年には、介護保険に関する費用は、約20兆円規模に膨れ上がると推定される。近年、この成長産業に若手を中心としたベンチャーが進出し始めている。

介護ベンチャーの特徴は、これまで業界が抱えてきた課題に対して柔軟な発想と行動力で解決に取り組んでいること。より高齢者のニーズに合ったサービスを提供し、高評価を得ているのだ。

[茶話本舗]
空き民家を活用し、低価格を実現

04年に設立された、民家を活用した少人数のデイサービス「茶話本舗」。

藤田英明
日本介護福祉グループ代表取締役会長
「茶話本舗」創業者

当時、営業時間は夕方まで、利用者数十人規模というデイサービスがほとんどという状況で、最大10名、営業時間は6時半から21時まで、利用者の1日の自己負担分約1000円、食事は3食で900円という長時間営業と低価格に加え、1泊800円で宿泊も可能というそれまでの業界になかった破格のサービスを提供し、同社は爆発的に利用者を獲得した。

設立から9年で、直営、フランチャイズを含めて685店舗を展開しているのだ。

当時27歳にしてこの茶話本舗を立ち上げたのが、日本介護福祉グループ代表取締役会長の藤田英明氏。藤田氏は介護福祉に興味も関心もなかった22歳の時、ひょんなことから特別養護老人ホームで介護職員の職を得て、それから5年、現場で働いた経験を持つ。

「精神的にも肉体的にもつらくて働き始めて3日で辞めようと思ったんですが、上司に『根性ないね』と言われて腹が立って、辞められなくなったんです(笑)」(藤田氏)

職員不足で2年半も施設に住み込んでいたそうだが、そうして毎日のように高齢者に接していて強烈に感じたのが「老人ホームでの生活はつまらない」ということだった。

刺激に乏しい生活で、入居者の口癖は「早く死にたい」。そんな状況をどうにかしようと、藤田氏は1日1案、施設の改善策を施設長に提出するようになったが、職員の手間が増えるような案が採用されることはほとんどなかったという。そんなある時、堪忍袋の緒が切れるような出来事を目の当たりにして退職を決意。提出した改善策の一つである、民家を活用した少人数のデイサービスを立ち上げた。

25年に1万事業所が目標

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