事業のDNAは「知的資産」にあり

事業承継における課題の核心は、文字通り、「事業」を承継すること。そのためには、自社の強み・弱み、魅力を再認識し、創業から現在に至るまでの事業ストーリーを整理しなければならない。

事業承継について考えるとき、「事業」と「承継」の言葉の間に「の」を入れて、「事業の承継」と読むと、事業承継の本質が見えてくる。

事業承継における課題の核心は、文字通り、事業を承継することである。

このように認識することができれば、次に、自社にとっての事業とは何かについて、創業当時からの自社の歴史を思い起こしてみる作業が有益である。

事業承継の取組みを進める上では、会社の強み・弱み、魅力を再認識し、創業から現在に至るまでの事業ストーリーを整理し、現在から将来に向けての事業ストーリーを描くことが大切だ。

創業してから、あるいは先代から引き継いだ時から相応の年月が経過する中で、マーケット環境も大きく変化している。この変化をとらえ、マーケットニーズに沿った製品・サービスの提供ができなければ、過去から引き継ぐ自社の事業のDNAも活きてこない。

場合によっては、経営革新といった新たな取組みが必要となる。

事業のDNA=知的資産事業のDNA=知的資産(=財務諸表に表れない企業の価値・競争力の源泉)(下図参照)であり、まずは、自社の事業についての知的資産の棚卸しから始めるとよい。

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その際に、知的資産を「人的資産」(個人に付随する資産)、「構造資産」(組織に定着している資産)、「関係資産」(組織外とのつながりに関する資産)の各観点から捉え、「なぜ」その事業を、「なぜ」その土地で、「なぜ」その時期に創業し、「どのような」経緯をたどって事業を継続・展開してきたのかについて再認識することが欠かせない。

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