行動科学で組織の営業力アップ
組織の営業力を底上げするには、どうすればいいのか。「行動科学マネジメント」は、結果ではなく行動に焦点を当てる。行動を見える化・定着化させることで、組織の営業成績は劇的に向上する。
営業のマネジメントというと、とかく結果ばかりに目が行きがちだが、成果を上げるためには、結果だけでなく、行動プロセスを見ることが重要になる。
プロセスに焦点を当て、行動を標準化し、その成果を計測・改善しながらパフォーマンスを高め、組織全体の生産性を上げようというのが、行動科学マネジメントだ。

行動の標準化というと、マニュアルをイメージするが、基本的な仕事の仕方を教える従来のマニュアルに対し、行動科学マネジメントは、最高のパフォーマンスをする人、営業で言うなら、トップセールスマンの仕事ぶりを標準化し、それを共有することを意味する。
多くの場合、マニュアルは、「○○をしっかりやる」、あるいは、「△△を心がける」という具合に内容があいまいで、具体的に何をすればいいのかがわからない。これに対し、行動科学マネジメントで標準化したものは、誰がやっても同じ結果が得られるような行動を示す。この"再現性"が、"科学"と名のつく所以である。
行動を細部まで「見える化」
"再現性"を確実にするには、トップセールスマンの行動を細部まで"見える化"する必要がある。高い成果を生み出す行動は属人的で、本人は、それが特別であると認識していないケースも多い。
しかも、その特別な行動は、ささいな違いの積み重ねのうえに成り立つ。
ある業種で営業成績の優れた社員とそうでない社員の行動を調査したところ、90%以上の行動は両者に共通しており、違っていたのは、わずか数%だった。
しかし、その数%の行動の違いが、何倍もの売上高の差を生むのだから、その"見える化"は、極めて重要だ。
同時に、それ以外の人の行動も分析し、両者を比べることで、高い成果を上げる秘訣がどこにあるのかを探り出すことも大切だ。
標準化したものを共有するためには、チェックリストが必要になる。チェックリストは、前述した通り、これを見れば誰でもが同じ行動がとれるというところまで標準化されていなければならない。そうしたものが作れれば、部下は、自分で判断して望ましい行動をとれるようになる。

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