2013年8月号
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食ビジネスの進化

地域全体の6次産業化に活路

斎藤修(千葉大学大学院園芸学研究科 教授)

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農業を変える起爆剤として期待されている6次産業化だが、実際には様々な問題が存在しており、その取組みは進んでいないのが現状だ。この状況を打破し、国内農業の活性につなげるには何が必要なのか。

6次産業化を見るうえでのポイントは何か。日本フードシステム学会会長を務める千葉大学大学院・斎藤修教授によれば、以下の3つの視点から整理する必要があるという。

  • 生産者の6次産業化
  • 生産者が食品加工メーカーや流通業者と連携する農商工連携
  • 地域全体の6次産業化を発展させたクラスター化

そしてこの3つは互いに密接に関連しながら、ともに発展していくものであり、どれか一つだけが突出して成長することはない。6次産業化における問題点を分析するときは、生産者とその周りの連携業者、さらには生産者が活動する地域全体にまで見ていくこと、これがカギになる。

女性による起業が増加

では、この3つのポイントにはどんな課題があるのだろうか。

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地元産品を提供する十勝のレストラン、カフェ。十勝は食産業のクラスター化に成功している
Photo by MIKI Yoshihito (´・ω・)

「まず生産者においては、少子高齢化の問題が非常に深刻です。加えて6次産業化を推進するリーダーが絶対的に不足している。今後の農業を担う人材を育てにくいという厳しい環境にあります。生産者間で情報を共有するためのネットワーク化も進んでいません」と斎藤教授は指摘する。

だが一方で、生産者自身が栽培した農作物を加工・調理して消費者に供するレストランなど、「女性による起業がここ最近増える傾向にあります」という明るい兆しもあるという。もっとも斎藤教授は生産者の6次産業化が過剰な期待をもたらしていることを懸念している。

「いわゆる農業の多角化のために垂直的に加工・販売を統合化するには投資額が多く、またリスクがかなり高くなります」(斎藤教授)

自治体が活性化を牽引すべき

また、大規模スーパーが地域に進出し、生産者と直接取引を行うことで、安価で良質なプライベートブランドを開発・販売したり、食品メーカーが生産者と直接契約を結んで特定の農産物を一定量確保するなど、農商工連携も盛んになっているように思われる。しかし、斎藤教授は「実際にはビジネスがうまく回っているところはそれほど多くありません」と語る。

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