2013年8月号
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食ビジネスの進化

「勝てる」植物工場の作り方

イノプレックス

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植物工場ビジネスに新規参入する企業が、この数年増え続けている。現在、「勝ち組」となっているのは、どのような事業者なのか。海外展開の将来性についても探った。

低カリウムレタス「ドクターベジタブル」が生産されている会津富士加工(福島県会津若松市)の植物工場

植物工場とは、光、温度、湿度、CO2濃度などの環境条件を制御した屋内施設で農作物の生産を行うシステムを指す。現在の第3次ブームのきっかけは、09年に農林水産省と経済産業省で植物工場の普及事業や研究開発のための大型補正予算(約150億円)が確保され、工場建設に乗り出す企業を補助金が後押ししたことだった。

「補助金が削減された10年以降、大型施設の建設は減りましたが、それでも植物工場ビジネスに参入する事業者の数は今なお増加傾向にあります」と、植物工場に関する講演やコンサルティングを行う、NPO法人イノプレックス代表理事の藤本真狩氏は言う。

会津富士加工の「ドクターベジタブル」。食感・食味が評価され、フランス料理店で通常のレタスのかわりに使用されているという

参入企業は建設業、製造業、鉄道運輸業、飲食業など多様で、設備を買えば栽培を始められることが大きな理由のようだ。「現在は、自社資源を活用しながらの参入ケースが目立ちます。たとえば照明・半導体、空調関連や化学メーカーなどの製造分野が自社の技術を工場のシステムに用いたり、鉄道会社なら自社用地に工場を建設し、収穫した野菜は駅構内の売店のサンドイッチに使うといった具合です」(藤本氏)。

では実際に、植物工場ビジネスに乗り出したすべての企業が成功を収めているのだろうか。

大規模化、販路開拓で成功

「植物工場は初期コストが膨大で、うまく経営できている企業でも、収支均衡または1000万円以下の営業黒字を達成するのに最低5年はかかります。10年頃に参入した企業の成否がわかるのはもう少し先でしょう」(藤本氏)

とはいえ、第3次ブームの頃に参入し、すでに撤退している企業もあるという。また、イノプレックスで07年~11年に全国50ヵ所の植物工場を対象に行った調査では「6割が赤字、3割が収支均衡」という結果が出た。現実は厳しいと言える。

では、このような中で成功している「1割」の共通点とは何だろう? 藤本氏によれば「量産化・大規模化」が鍵だという。

「たとえば、京都府亀岡市に工場を持つ『スプレッド』では、1日に収穫されるレタスが2万株といった大規模な量産化を成功させています」。ちなみに、植物工場でレタスを生産する場合、収支均衡となる目安は日産5000株。

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