東京の真似をせず、金沢のアイデンティティ確立を目指す

一地方都市の公立美術館でありながら、全国屈指の人気を誇る「金沢21世紀美術館」。2007年より同美術館の2代目館長に就任した秋元雄史館長に、その人気を持続させる美術館運営方法や古都・金沢との関係などを聞いた。

昨年夏、旅行代理店JTBが発表した「美術館・博物館に関するアンケート調査」によると、全世界の美術館・博物館を対象にした「今後、最も訪れてみたい美術館・博物館ランキング」で、金沢21世紀美術館が10位にランクインした。2004年に開業して以来、累計の入館者数は1200万人を突破し、年間150万人の入館者数を誇る地方美術館のトップランナーだ。

1日3000人が来館 地域の伝統工芸に注目

総ガラス張りで解放的があり、フリースペースも多い美術館には1日3000 人が訪れる

難解なイメージが強い現代アートをメインとしているにもかかわらず、他の公立美術館がうらやむ入館者数を維持していることに、秋本雄史館長は、「ごまかしのない『本物たらん』という姿勢を貫く中、こだわって考え抜いた、これが今一番大事なモノであろうものをお見せし、できる限りわかってもらおうという努力をしていくことが、多くの人の評価につながっているのではないでしょうか。それに、やはり、建築的な魅力が一番大きいと感じています。展覧会をやっていなくても1日3000人以上が来るというのは、建物の魅力以外の何ものでもないでしょう」と分析する。

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