伝統技術を土台に、和装の常識を変える

「唯一の国産地下足袋ブランド」として、日本の和装文化とそれを支える伝統技術を守る。京都随一の繁華街、河原町から北に入った細い路地に「SOU・SOU」ブランドの店が寄り添うように集まっている。地下足袋やシューズを扱う「足袋」、男性向け和装「傾衣」、女性向け和装「着衣」、子供服の「わらべぎ」...。「日本の伝統の軸線上にあるモダンデザイン」をコンセプトに独自のテキスタイルデザインで和装を現代に甦らせている。

ポップなテキスタイルデザインがあしらわれた地下足袋

中でも異彩を放つのは地下足袋だ。「足袋」の店をのぞくと、外履きからスリッパ、スニーカーまでポップな柄の地下足袋が並ぶ。親指と人差し指のところで先が割れ、後ろはこはぜと呼ばれる金具で留められる。大正時代に完成したといわれる形がそのまま踏襲されている。「見た目が良くて、機能的な履物は世界を見渡せばいくらでもある。加えて伝統があるのが地下足袋。先が割れているので踏ん張りがきき、こはぜを外して折り返し裏地を見せればおしゃれ。時代を超えて使われる意味を伝えていくのも我々の役割」とプロデューサーの若林剛之氏は語る。

外国人の喜ぶ姿からきっかけを掴む

若林氏は、もともと大手服飾ブランドでパタンナーを経た後、20代男性をターゲットにしたストリートカジュアルのセレクトショップを開いた。欧米に出向いて商品を買い付けて売る商売は順調だったが、次第に疑問が頭をもたげてきた。「自分が欧米のファッションにあこがれたように、日本のファッションが憧れられるようなムーブメントを生み出したい」

(左)男性用和装「傾衣(keii)」(右)女性用和装「着衣(kikoromo)」

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