「スマホファースト」がウェブ戦略の成否を分ける

企業が効果的にスマホ活用するためには、何が必要なのか。スマホで前年度比約150%の販売増を実現したANAの事例には、スマホを上手に活用するためのノウハウが、数多く示されている。

スマートフォンの活用を考えている企業は数多い。しかし、単なる流行でスマホに取り組んでも、効果をあげるのは難しい。

成功と失敗を分ける要因は、どこにあるのか。多くの企業が試行錯誤している中で、成果をあげている企業の一つが全日本空輸(ANA)だ。

ANAのウェブサイトには1日40万人が訪れ、年間4500億円の航空券を販売している。このサイトのアクセス状況が、この1年で様変わりした。

2011年12月、0.1%に過ぎなかったスマートデバイスのアクセス数が、12年12月には15・5%と大幅に拡大。スマホでの販売額も500億円を突破し、前年度比約150%と圧倒的な伸びをみせている。

PCサイトとの差別化を徹底

iPhoneのアプリ「Passbook」を利用すれば、搭乗から予約便の欠航、遅延の確認まで行える。空港で搭乗手続きが不要な「スキップサービス」も利用可能

ANAは「スマホファースト」を掲げ、スマホを最優先に位置付けるウェブ戦略に舵を切った。マーケティング室マーケットコミュニケーション部主席部員の前田欣伸氏は、「従来のPC用サイトでは、予約までがサービスの提供範囲でしたが、スマホの普及でプッシュ機能などを活用し、空港の出発案内、機内のインターネットサービス(乗り継ぎ便情報、エンタメなど)など、サービスを提供できる範囲が大幅に広がりました」と新たなサービスの開発に意欲的だ。

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