既存ビジネスを「変質」させるスマホのインパクト

企業にとって、スマホの利用シーンは、どのように広がっていくのか。アメリカの事例を読み解き、今後の活用分野の拡大と効果的に活用するための方策を探る。

2012年の統計によれば、米国ではスマートフォンを所有する成人の割合は46%に達している。また、モバイル(iOSとアンドロイド)によるウェブサイトへのアクセスはすでに全体の45%を占め、すでにウィンドウズPCによるアクセス(35%)を超えている。多くの企業がスマートフォンをビジネスに組み込み、事業の成長を画策している。

一方、既存のサービス業にスマートフォンを持ち込むことで、市場を開拓しようとするスタートアップも次々と登場している。「携帯に便利」、「リアルタイムで情報につながる」、「パソコンより短時間で立ち上がる」といった特徴を持つスマートフォンは、既存ビジネスを変質すらさせる力を持っている。

本記事では既存ビジネスを「変質」させた事例を見ながら、スマートフォンを活用した事業企画のヒントを探っていきたい。

既存ビジネスを「変質」させた先進事例

CASE1 インスタカート社 1時間以内に配達する食料品の買物代行サービス

Instacart(インスタカート)社はサンフランシスコをサービスエリアに、特定スーパーへの食料品の買物を代行し、顧客に食料品を配達している。

配達員は顧客から注文された食品がどの店のどの通路、どの棚にあるのかを発見するにも、配達先までの最短ルートを見つけ出すにも、スマートフォンの専用アプリを活用する。そうすることで、従来にない「注文を受けてから1時間以内の配達」を実現した。

また、ECサイトを開設する前にモバイルアプリをリリースするという「モバイル優先、その次にウェブ」という戦略をとり、モバイルユーザーを主なターゲットにしていることも特徴だ。

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