「日本中の花嫁を幸せにしたい」が事業構想の原点

──ノバレーゼ 代表取締役 浅田剛治氏

写真は神戸・ジェームス邸。歴史的・文化的価値があり利便性の良い高付加価値建造物や、旧来型のホテル・専門式場に独自の開発・運営手法を投入し、再生もさせている

長期的に停滞ないし衰退する業界において、連年躍進し続けてゆくことがいかに困難かは言うを俟たない。それを可能にする要因が存在するとすれば、それは「不断のイノベーション」を措いて他にないだろう。

「少子・高齢化」「非婚化・晩婚化」という趨勢の中で持続的な停滞・漸減傾向にあるブライダル業界において、急速な躍進を続け、業界内外で大きな注目を集めるノバレーゼは、まさにそうしたイノベーティブな企業であると共に、その「独自性・異質性・新規性」において特筆すべき存在である。

同社は、東証一部上場企業で、資本金は約6億円、従業員はパート・アルバイトを含めて1000人超。売上は2012年度、連結ベースで117億5349万円(業界11位)。

邸宅風の専用施設を新郎新婦が丸ごと借り切って挙式披露宴を行なう「ハウスウェデンング」を中核にしたブライダル事業で発展を遂げてきた。近年では、それに加えて、高い文化的・芸術的価値を有する歴史建造物をブライダル用に再生したり、経営難の地方の専門式場などをリニューアルし、ハイセンスな式場として再生させるなど、多角的に事業展開している。

リクルート出身の浅田社長

ハウスウェディングに関しては、各地方の中核都市の交通至便な場所に立地するスタイリッシュな「モノリスタイプ」(12箇所)と、自然の景観に包まれた中で高級リゾート感のある「アマンダンタイプ」(6箇所)という同社オリジナルのゲストハウスがその中心。従来日本で好まれてきたヨーロピアン・クラシックとは一線を画すモダン・コンテンポラリーをハード&ソフトのコンセプトに、婚礼衣裳も国内他社に先がけミラノ(さらにはニューヨーク)のトップデザイナーにオーダーメイドで発注。全国各地の新郎新婦に世界の流行の最先端を行くブライダルを提供している。

創業者の浅田剛治さん(43)は、慶應義塾大学商学部を卒業後、リクルート勤務を経て、20代で父親の営む名古屋の結婚式場「シャンテ」を継ぎ、売上を5倍に伸ばすなど、経営革新に腕を振るったが、2000年に自らワーカホリック(現在のノバレーゼ)を創業した。

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