ジャック・ドーシー 問題発見に長けた視点

ジャック・ドーシーの名前を知っている日本人はまだそれほど多いとは言えない。しかし、シリコンバレーでは知らぬものはいない彼は、日本においてスタートアップを志す多くの若者の間ではアイドルになりつつある。

スティーブ・ジョブズ亡き後、世界を変革していくビジョナリーの最右翼として最も注目されているのが彼だといえよう。 それもそのはずだ。ジャック・ドーシーは35歳にして、ツィッターとスクエアという、ふたつのカッティングエッジなベンチャー企業の創業と経営に携わる、世界的な起業家なのだ。

自身でツィッターを開発

まず、彼は世界中で月間アクティブユーザー(MAU)が2億人に達し、日本でも1500万人以上といわれるユーザーを集めているマイクロメッセージングシステム、ツィッターの共同創業者のひとりであり、現在同社の会長を務めている。ツィッターのオリジナルアイデアは彼が創出したとされており、プロトタイプもドーシー自身でプログラミングしたらしい。ジョブズはアップルの製品開発に多大な影響を与えたものの彼自身は開発者ではない。ドーシーは自分自身プログラマーであるという点でジョブズを凌ぐ。

さらに、ジャック・ドーシーは、iPhoneなどのスマートフォンを簡易クレジットカード決済端末にするシステムを提供し、米国を中心に急成長しているスクエアの創業者兼CEOとしてシリコンバレーの寵児となった。スクエアは2011年6月には10億ドルの評価額(10億ドル以上の企業価値を持つスタートアップを作ることを、俗にビリオンダラークラブのメンバーになった、と言ったりする)に達し、今では40億ドルもの評価額にまで成長している。

VISAやアメックスも慌てた「スクエア」

ジャック・ドーシーがTwitterを開発した際のメモ書き

スクエアは、スマートフォンに接続する小型のクレジットカード決済デバイスを開発しているスタートアップだ。白い小さな四角い(つまりスクエアな)デバイスを設置すると、端末を使ってワイヤレスでカード決済が行える。たとえばフリーマーケットなどで個人が不要な服などを販売する際、購入者に現金決済ではなくカード決済も選んでもらえる。米国では数ドルであってもカード決済できるのが普通だし、個人売買もさかんなので、スクエアのサービスは普及しやすい土壌がある。日本でもタクシーのカード決済が可能になって久しいが、ドーシーはタクシー会社のイエローキャブにニューヨーク地域でスクエアの決済システムを導入させることに成功した。

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