2013年4月号
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アスリートの闘い方

「無駄なこと」が開く突破口

羽生善治(将棋棋士)

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プロ入りから17年に渡って将棋界をリードする、羽生善治。その他を圧倒する実力は、どうやって培われてきたのか。自分を見極め、低迷を打破し、創造力を鍛える方法とは?

羽生善治―日本の将棋界において、彼ほどの成績を残している棋士はほかにいない。

その強さは子どもの時から全国で知られ、12歳の時、「小学生将棋名人戦」で優勝して本格的に将棋界に足を踏み入れると、破竹の勢いで連戦連勝。1985年、史上3人目となる中学生のプロ棋士となってからも勢いは衰えを知らず、数々の最年少記録を更新し、新記録を樹立してきた。その最たるものは、将棋界初の7タイトル独占だろう。96年2月14日、25歳で達成した前代未聞の快挙は、翌日の全ての新聞の一面を飾った。

驚異的なのは、7冠から17年を経た今も、将棋界のトップに君臨していることだ。過去21年間、7つあるタイトルのうち1つ以上を保持し続け、現在も3冠。2月18日、日本将棋連盟が発表した昨年の獲得賞金と対局料のランキングでは、15年連続のトップに輝いている。

これほど長きにわたって、数多の才能が集う将棋界の頂点に立ち続けられてきたのは何故か。「人前で話をするのが苦手で...」と苦笑し、それでも気さくに問いに応える羽生からは、絶対的な王者の風格というよりは、将棋好きの少年がそのまま大きくなったような純粋さと朴訥さが滲み出る。この稀代の天才が、何を思い、どんなことをしながら勝利を重ねてきたのか、その思考の一端に触れた。

決断をするときの尺度は様々な「経験の物差し」

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