「起業のカジュアル化」で世界に広がるビジネスチャンス

現在、スマートフォンの普及によって、かつてのないほど安上がりに世界を目指すことができる。それは、リスクの少ない起業を可能にした。

富士通総研 経済研究所主任研究員 湯川抗

スマートフォンの普及にビジネスチャンスを見出し、アプリの提供などで成長を狙うベンチャー企業が増えている。06年、エキサイト創業者で現グーグルのジョー・クラウスは、こう言った。

｢今ほど安上がりに起業家になれる時代はない｣

現在、起業の低コスト化はさらに加速している。富士通総研経済研究所主任研究員・湯川抗氏は、スマートフォン・アプリなどIT関連の市場環境をこう表現する。

｢開発はクラウド、マーケティングはソーシャルメディア、流通にマーケットプレイスを利用すれば、かつてない低コストで世界中にサービスを展開できます。少額の資金でビジネスを立ち上げることが可能で、いわば起業のカジュアル化が進んでいます｣

こうしたマーケットの変化は、必要とされるビジネスモデルにも変革をもたらす。