競合との争いから離脱する 事業・商品コンセプトを構想せよ

1月号で解説した発想型仮説( >前回の記事はこちら)をもとに、いよいよ事業案・商品案をつくることになる。その際に、ドラマ「水戸黄門方式」のキャスティングを参考にしたコンセプト構想をお勧めする。理由は、競合を意識した際限なきQ・C・Dの戦いから離脱し、顧客"ご利益"の優秀性で独自の需要を創る開発にシフトできるからだ。

ドラマ「水戸黄門方式」でキャスティングを構成するコンセプトは定義が曖昧なばかり、事業の推進過程で都合よく解釈されるきらいがある。ここでは実践的なコンセプト構想について事例を挙げながら解説する。本来、コンセプト構想とは、顧客に対する"ご利益"創造であり、そのように定義すると企画案の決定がぶれずにすむ。そのためには、コンセプトの中身を構造的に組み立て、構想することをお勧めする。

コンセプトは「3キャスティング×3エレメント」で構想すると良い。最初に3キャスティングをドラマづくりに例えて説明しよう。心を打つドラマは、必ず輝く主役(スター)と演技巧者の助演(サポート)に、ストーリー回しを面白くする脇役(アイドル)のキャスティングで構成されているはずだ。そのように、事業や商品の魅力を演出する場合、3つの役割をもったキャスティングを設定し、相乗効果を発揮させると企画の骨格が引き締まる。スターは勿論、企画案の最も売りとする役割。助演はスター級の商品特徴の魅力を更に輝かす役どころ。アイドルは企画案の余裕、擽り、洒落、サビに相当する役割だ。それを国民的人気ドラマである「水戸黄門」に例えてみよう。マンネリと言われながら、見る人の心を捉えて離さない黄金の法則が潜んでいる。

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