タイ料理レストラン界の第一人者に見る 「成功する事業構想」

今や中華料理やインド料理に匹敵する人気を誇るタイ料理だが、実は、20年前に、ある男性によって日本に本格紹介されてから急速に広まったということを知る人は少ない。彼の名は小島由夫さん(60)。

株式会社コカレストランジャパン代表取締役
小島由夫氏。
コカレストランジャパン代表取締役社長
ミールワークス代表取締役社長
M・R・Sファウンダー。タイ・バンコクの「コカレストラン」
「マンゴツリー」や、ニューヨークの伝説的インドレストラン
「ニルヴァーナ・ニューヨーク」など、数々の老舗レストラン
を日本へ誘致し運営して20年。
趣味はトレッキングとランニング。

日本におけるタイ料理レストランの草分け『コカレストラン』、そして、現代日本を代表するタイ料理レストラン『マンゴツリー』を全国展開する㈱コカレストランジャパンの社長である。年商は約20億円で従業員は約120人。いずれも、小島さんがタイのバンコクから日本に誘致した。

コカレストランは、タイスキ(タイの鍋料理)の専門店として1992年にオープン。店内は東南アジアの繁華街の屋台や路地裏を彷彿させるディープな雰囲気。ディナーの客単価は3500円。本場タイの一流店の日本初進出ということで話題を呼び、サラリーマン層を中心にヒット。現在は、東京・博多(フランチャイズ)に4店舗を構える。

一方のマンゴツリーは、この成功を背景に、2002年、東京駅前の丸ビルのリニューアルオープンに合わせ、バンコク、ロンドンに続く世界第3号店『マンゴツリー東京』としてオープン。正統的タイ料理の伝統を現代的センスで供してくれる点に特徴があり、ディナーの客単価は8000~9000円。料理・サービス・内装デザイン・眺望、いずれをとっても『洗練』『ファッション性』『ロマンチックでノスタルジックな非日常性』といった要素に満ち溢れ、女性客を中心に人気が沸騰。

各方面からの出店要請もあり、彼は、よりカジュアルでリーズナブルな『マンゴツリーカフェ』やテイクアウト専門の『マンゴツリーデリ』、デリにイートインコーナーを設けた『マンゴツリーキッチン』を続々オープン。東京・横浜・大阪・長崎・仙台・福岡(一部フランチャイズ)に16店舗を展開している。マンゴツリーは、昨年の東日本大震災後の自粛ムードの時期ですら各店舗が売上を伸ばし続けたという。

小島さんのお店は、いったいどうしてお客さんに愛されるのだろうか?

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