第66回利根川水系水防演習

本演習は、昭和22(1947)年のカスリーン台風による未曾有の被害を教訓として昭和27(1952)年から始められ、国土交通省及び関東1都6県並びに開催市町村の主催により、毎年利根川水系の河川で開催している。今回は、カスリーン台風から70年の節目の年となる演習であり、カスリーン台風決壊口地点(加須市)で行われた。

第66回利根川水系連合・総合水防演習が、5月20日(土)に埼玉県加須市新川通地先(利根川右岸134.3km付近)にて行われた。

本演習は、出水期を前に、地域を守る水防団(消防団)の士気の高揚を図ること、水防技術の向上を図ること、後継者の育成を行い水防技術の継承を図ること、避難訓練により地域住民の防災意識を高めることにより、水防体制に万全を期すことを目的として開催している。昭和27年に第1回を開催して以来、利根川水系にある栃木県、群馬県、茨城県、埼玉県、千葉県の5県で交代して毎年実施されている。

毎年、多くの地域住民が演習参加し、一般見学者も近隣から集まる。

今回の第66回利根川水系連合・総合水防演習、第一部「水防訓練」では、地元の加須市・羽生市水防事務組合水防団による水防工法の準備や漏水、洗掘、決壊及び越水などの堤防の被災に対応する水防工法の実動訓練と、国土交通省が行う河川パトロールカーによる河川の巡視・情報収集訓練、緊急災害対策派遣隊(通称TEC-FORCE) の出動、加須市の地域住民による避難訓練、道路管理者の浸水対策の紹介などが行われた。

また、埼玉県の技術支援の下、加須市自主防災会(東地区・原道地区)、加須市立大利根中学校、平成国際大学等による「簡易水防工法の訓練」や花咲徳栄高等学校、加須市等による「水防活動への協力」により、洪水時における「水防活動の重要性」について参加者と一緒に理解を深めた。

第二部の「救出・救護訓練」では、増水により利根川の右岸堤防が決壊したことにより、加須市内が氾濫したという想定で実施。排水ポンプ車による氾濫水排除訓練、航空機、ヘリコプター及びUAV(無人航空機)による浸水被害箇所状況調査、ボートによる孤立者の救出やヘリコプターによる重傷者の救出、さらに救出された罹災者の応急手当などの訓練を行い、多岐に渡る防災機関の連携活動と技術が紹介された。

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