「知財」って何ですか? 事業立ち上げ・企業に必須の基礎知識

ニュースや日常のビジネスシーンでよく耳にする"知財"。しかし、その本質を正しく把握しているビジネスパーソンは意外に少ない。本連載では、知財啓発の第一人者である稲穂健市氏に新事業立ち上げや起業を志す方が最低限知っておくべき「知財」の基礎知識を解説いただく。

はじめに

「知財」とは、「知的財産」または「知的財産権」の略語です。知的財産とは、ひとことで言うと、「人間の知的な創造活動によって生み出された経済的な価値のある情報」であり、知的財産権は、知的財産を保護する権利の総称です。

知的財産権は、大まかに、文化の発展に寄与することを目的とする「(A)著作権」、産業の発達に寄与することを目的とする「(B)産業財産権」、そのいずれにも該当しない「(C)その他」の3種類に分けられます(「その他」については正式な分類はありません)。なお、ビジネスアイデアそのものや、データそのものなど現行の法律では明確な権利や法律上保護される利益として保護することが難しいものがある点には注意が必要です。

今回は、コロナ禍に関連する事例を上げながら、各権利の概要について説明します。

図 知的財産権の種類と保護の体系

出典:筆者作成

 

A.著作権

巣篭もり生活の長期化で、動画配信サービスの売り上げが伸びています。昨年の「ユーキャン新語・流行語大賞」のひとつにNETFLIX配信の韓国ドラマ『愛の不時着』が選ばれたことは大きな話題となりました。このような動画コンテンツのほか、小説、絵画、音楽など、人間の思想または感情を創作的に表現したものを「著作物」といい、それを保護する権利が「著作権」です(創作的なプログラムやデータベースも著作物に該当することがあります)。

著作権の大きな特徴は、国に登録しなくても自動的に権利が発生する点です。著作物を創作した者を「著作者」といい、著作者は、経済的な権利である「著作権(財産権)」を持ちます。これは複製をはじめとした「著作物を使う一定の行為」をコントロールできる権利で、他人に譲渡することもできます。保護期間は、原則として著作者の死後70年です。

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