高付加価値化で、自動車産業の大変革期・CASEを乗り切る

90年超の歴史の中で磨き続けたコア技術を駆使し、事業領域を広げてきた住友理工。自動車産業がCASEと呼ばれる大変革期を迎える中、製品の高付加価値化を中心とした取り組みにより、ピンチをチャンスに変えようとしている。同社の将来構想について、清水社長に話を聞いた。

清水 和志(住友理工株式会社 代表取締役 執行役員社長)

グローバルへの道を拓いた
歴代経営者の胆力と先見力

1929年にゴムベルト製造を祖業として、三重県四日市市で創業した住友理工。1937 年には住友電線製造所(現・住友電気工業)の資本参加を経て、1950 年代に現在の主力製品となる防振ゴムやホースなどの自動車用部品事業に参入した。

「1964年に、本社を工場のある愛知県小牧市に移しました。当時は車でも、四日市から5時間かかる未開の地です。そこに広大な土地を準備したのですから、経営者の胆力と未来を見通す力に驚嘆します。この英断が、第2の創業、初の海外進出となる1988年の米国DTR Industries, Inc.(現・SumiRiko Ohio, Inc.)設立へとつながりました。この時、果敢に海外展開に挑戦した部品メーカーと傍観した部品メーカーとでは、30年後に見る景色が全く変わりました」と清水社長は語る。

その後、1990年代にタイ、中国、ポーランドに拠点を設立。2002年には海外初の開発拠点を米国に立ち上げ、2013年にはイタリアの自動車用ホースメーカーとドイツの自動車用防振ゴムメーカーを買収し、第3の創業期を迎えた。

「2000年代初頭、大手自動車メーカーが全世界に生産拠点を持つようになり、より効率的な生産・調達・品質管理・物流が求められる一方で、新興国の台頭により市場も大きく広がりました。胆力のいる大規模M&Aだったと想像しますが、弱い地域を一気にカバーしたことが、20カ国以上に事業展開する道を切り拓きました」

そして2014年には、長年親しまれた「東海ゴム工業」から、信頼の厚い世界ブランドである「住友」と、高分子材料技術に代表される理化学・工学の技術を意味する「理工」を組み合わせた住友理工へと社名を改め、新事業・新領域への進出を加速させていった。

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