自社ビルを「街に開かれた」場に 成熟産業のブレイクスルー

東京・芝浦で長年、事業を営んできた製版会社の本社が、洗練されたガラス張りのビルに生まれ変わり、地域の交流を育む拠点として賑わい、また、新しいビジネスが生まれる場所になっている。SHIBAURA HOUSEの伊東勝代表は、先代の理念を受け継ぎつつ、新たな成長への道を切り拓く。

伊東 勝(SHIBAURA HOUSE 代表取締役)

東京都港区芝浦にあるガラス張りの自社ビルが異彩を放つSHIBAURA HOUSE。オフィスは4階のみで、1階は誰でも自由に出入りができるオープンスペースになっており、地域のコミュニティを育む場になっている。また、コロナ禍の前にはアートやカルチャー、社会問題を扱うイベントやワークショップが年間100回以上も開催され、異なる領域の人たちをつなぐハブとして存在感を高めてきた。

洗練されたデザインの「SHIBAURA HOUSE」。世界的な建築家・妹島和世氏が設計を手掛けた

SHIBAURA HOUSEの旧社名は広告製版社。同社は1952年に創業し、印刷の前工程である製版を手掛け、大手企業からの受注も得て成長を遂げてきた。

現代表の伊東勝氏は2005年に入社し、2010年に父親の後を継いで経営トップに就任、2011年に自社ビルを建て替えて「SHIBAURA HOUSE」を竣工した。それは、自社ビルを公共空間にするという先駆的な取り組みであるとともに、先細りしていた製版事業からビジネスを広げ、新たな成長を目指すための挑戦でもあった。

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