2020年10月号
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知が創る未来ビジネス

コロナ禍が問う「自分の時間」の価値 企業経営や生き方が変わる

早川 典重(事業構想大学院大学 特任教授)

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ポストコロナの世界では、見えない財産(無形資産)の重要性が増していく。一人ひとりにとって、貴重な無形資産である「時間」の使い方も問い直され、労働時間で管理するような企業経営のあり方、さらには人の生き方も変わっていく。

時間を売るのではなく
結果を売る時代へと変化

人は生まれながらにして、2つのものを平等にもっています。1つは、この心と体です。そして、もう1つは自分の時間です。時間は見えませんが、一人ひとりにとって、とても貴重で重要な財産です。ポストコロナの世界では、その見えない財産(無形資産)をどのように使うかが問われることになります。

家を出て会社に着いて仕事を始めるまで、都会の勤め人たちは1時間近くかかります。また、仕事を終えて、買い物等で少し寄り道をして帰宅すると、2時間近くがかかってしまいます。1日3時間、週5日で15時間が通勤で使われているわけです。さらに、出張の時間も。普通の勤め人の1日の労働時間は、9時から5時の大体7時間強であり、もしリモートでの働き方が主体となると、1週間で15時間約2日分の労働時間を自分の時間として使うことができるようになります。

もともと産業革命は、人々の労働からの解放であったものが、労働から解放されたお陰で、逆に会社は労働の結果ではなく拘束時間を買い取る、即ち、わたしたちは月曜日から金曜日まで9時から5時までの時間を売って、収入を得るようになってしまっています。労働生産性が上がらないのも当然ですね。労働者を管理するのに、労働時間を管理するのが一番簡単で主観も入らずフェアだからです。

しかし、これは工場での「ものつくり」を中心とした大量生産・大量消費社会では機能したものの、「知」やその結果である「コト」が利益の源泉である現代社会では、時間で測ることは、「働かなくてもいい」と言っているように見えるのです。

一方でリモートになると、社員の働いている姿が見えなくなる中で、求められるのは時間から結果にシフトしていきます。それなのに、一部の前近代的な企業では、パソコンの前にどれだけ座っているのかをチェックして働いているかを判断し、社員は、その日のやるべき仕事が終わったら時々マウスを動かして仕事をしているふりをし、時間を潰すという悪循環に陥っているケースも見受けられます。

今後、多くの定型的な仕事がAIやロボットにとって代わられ、ルーティン的な仕事が淘汰され、時間さえ売っていればお金をもらえる時代から結果を売る時代へ、それも見えないアイデアや発想という知をもとに結果を常に出し続けることが求められるという大変な時代を迎えることになります。

自分の時間を売ることで収入を得る時代は、大きな 転換点を迎えている

「生き方」そのものが問われる

こうした変化の中で、自分の時間は増えることになります。また、副業も認められることになるのでしょう。2日分の増えた時間をいかに使うかがとても重要になります。時間は、人が生まれながらに持っている大切な財産です。その財産をどのように使うかが問われることになります。即ち、「生き方」そのものが問われることになるのです。

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