2020年2月号

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富山市 理想の「選ばれるまち」へむけて研究と実践を深化

月刊事業構想 編集部

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7月から開始した富山市事業構想研究会、2019年11月25日に事業構想大学院大学(東京・南青山)で最終報告会を開催した。7月29日から4回にわたり、まちづくりについて多角的な立場と視点から論じ合った成果を振り返り、参加した研究員が「選ばれるまち」をつくるための構想提案を行った。

研究会の振り返りと趣旨

初めに事業構想大学院大学の重藤准教授が、研究会の趣旨を学術的に位置づけ、成果と課題を展望した。

4回の研究会を振り返り、学術的に位置付けた重藤 さわ子(事業構想大学院大学准教授)

重藤准教授によれば「研究会は『共に学び深め合う』探求の場」であり、参加者それぞれが役割を担い、課題への解決策を皆で考える場だ。地域活性を目指すには、地域内でお金や資源が流入・循環するしくみをつくり、外部者や学知を入れて新たな価値を創造ないし発見・発掘していくアプローチがある。内発的発展の論理はかつて、政策論や地方自治を拒絶する論理として解釈されがちだった。

従来の学術調査は、研究者が先進地域を訪れ論文にまとめるものだった。学術成果の地域還元を促すため興ったアクションリサーチでも地域は観察対象にすぎなかった。本研究会では、地域も外部者も共に成長し、共にアクションし進化する過程を論文化することを目指してきた。

今後にむけた展望

続いて山本貴俊氏(富山市企画調整課長)が市の立場から成果と展望を語った。市が一連の取組で目指したところは2点あるという。1点目は民間事業者を中心とした首都圏の方々に富山市の取り組みを知ってもらいたい。2点目は富山市の政策をさらに深化させるため外からの視点での事業構想を期待する。山本氏はこれらの観点から、提案された幾つかの構想を講評した。

山本 貴俊氏(富山市企画調整課長)

「習い事付きシェアオフィス」構想は、地域資源の循環に習い事を付加。「地方でのワーケーションの考え方は副次的に安らぎを提供する意味で面白い提案でした」。また「キラリ富山」構想は、富山ガラスの産業化に着目し、日本酒をテーマとしたコト消費の要素を含む提案であり、エンブレムの提案と合わせてガラスに新たな付加価値を与えるもので「エビデンスに基づく実現性のある構想」だとした。「水の富山」構想については「ブールバールを起点に人・水・情報の流れをうまく組み合わせ非常に興味深いもの」とした。

また、第4回研究会で発表された横浜市の事例から、官設民営から官民協力の時代へと移りつつあると強く感じたと山本氏はいう。「これからは民からも施策の端緒となる提案や企画を受け、民間との協働を進めるしくみを検討し、今後も研究員の皆様と対話を深めていきたい」とした。

最後に深谷信介氏(富山市政策参与)が総括を述べた。「一般論は大事ですが、構想の実践は特殊解。アイデア出しだけで自己満足に陥らず、実装力を加え、実現に至るよう努力しましょう」と研究員を激励した。

深谷 信介氏(富山市政策参与)

富山市では今後とも「多様なセクターと協働できる市」を目指したい、としている。本研究会で起ち上げられた構想が実現することを期待したい。

 

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