2020年1月号
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技術力で勝つ事業構想

世界中のガス事故をゼロに イノベーティブなガスセンサ技術

髙橋 良典(新コスモス電機 代表取締役社長)

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独自のガスセンサ技術を活かし、家庭用・工業用・携帯用など幅広いガス検知警報器を開発。1964年に世界初の家庭用可燃ガス警報器を開発して以来、世界初、国内初の技術や製品を世に送り出し続けてきた、挑戦の軌跡とは。

髙橋 良典(新コスモス電機 代表取締役社長)

はじまりはハプニングから

新コスモス電機の前身となる福島電機製作所が創業したのは1934年。ボリュームコントロールを製造する会社として、当時、国内シェア40%を持っていた。朝鮮戦争の戦時景気に乗って工場を拡大し、ラジオや洗濯機などの製造も始めたが、終戦による鍋底景気で運転資金がなくなり倒産。1960年、若手社員を中心に再建したのが、新コスモス電機。再建当時は、前身会社からのコア技術である、ボリュームコントロールの製造・販売を行なっていた。

ボリュームの専門メーカーが、ガスセンサを手がけるようになったのは、あるハプニングがきっかけだった。新製品のボリュームコントロールの出荷検査中、抵抗値が規格から外れていることが発覚。原因はシャフト部分についていたグリースをトルエンで拭き取った際、トルエンが気化し、その蒸気で抵抗値に狂いが生じたためだ。

ボリュームコントロールが出荷停止になり社内が落ち込む中、研究者でもあった当時の笠原社長は「ガスが抵抗値を変えるなら、ガスに敏感に反応する抵抗体が作れるのでは」と発想を転換。ガスセンサ開発の歴史が幕を開けた。

「1953年、家庭用にプロパンガスの販売が日本で開始されました。普及が進むにつれ、ガス事故も増えました。当時ガソリンなどの燃料不足から、自動車へのプロパンガスの使用が認められたのですが、この自動車も爆発事故を起こす。ガス事故は当時、社会問題になっていたのです」と髙橋社長。

世の中の課題に敏感に反応し、発想を変えてピンチをチャンスに変える。こうしたDNAを、新コスモス電機創業の歴史に見ることができる。

ガス事故による犠牲者をなくす

新コスモス電機の使命は「センサテクノロジーで、安全・安心・快適な環境創りに貢献する」。その底辺には「世界中のガス事故をゼロにする」という全社員共通の想いが流れている。

「社内で議論して、『そもそも』の所に戻る時には、必ず『世界中のガス事故をゼロにする』ために仕事をしているという原点に返ります。その技術、その製品で、本当にそれが実現できるのかという部分に、常に戻っていきます」(髙橋社長)。

「ガスセンサ技術で家庭でのガス事故を減らしたい」という想いで、1964年、世界初の家庭用可燃ガス警報器を開発。1969年には、世界初の半導体式ガスセンサ応用した家庭用プロパンガス警報器『みはり』の生産を開始した。都市ガスにおいても、1980年に静岡駅地下街で15人が死亡、223人が負傷するという大事故が起こっている。こうした状況に対応するべく、1985年、世界で初めて音声合成警報式を採用した家庭用都市ガス警報器『ぴこぴこ』を開発。家庭用ガス警報器の普及に尽力した。

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