ショッピングは「観光資源」 日本の素敵な買物体験を売る

ショッピングという「観光資源」を通じて、日本各地の魅力を訪日客に伝える。これを目指す小売事業者を支援しているのが、ジャパンショッピングツーリズム協会だ。高付加価値で顧客満足度が高い、地域ならではの買物体験の提供を目指していく。

新津 研一(ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)代表理事 事務局長)

旅先での買物は、日本人が重視する海外旅行の楽しみの1つ。旅行ガイドやウェブサイトで、現地のお土産の記載がないものはない。訪日外国人旅行者にとっても、日本での買物は旅行の目的の上位を占める重要なアクティビティだ。

訪日客の旅行消費


訪日客が国内で使うお金の6割は、ショッピングと飲食に回る。旅行消費全体を増やす上で、商業関係者が果たすべき役割は大きい

出典:観光庁 外国人旅行者消費動向調査

 

ショッピングを軸に、日本の魅力を訪日客に伝える様々な活動のため、ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)は2013年9月に設立された。協会の設立と、小売店の現在の状況について、「日本の人口が減少する中で、交流人口が新たなお客様となってきた。商業の戦略的には、歴史的に重大な転機です」と、JSTO代表理事の新津研一氏は話す。

小売店の免税販売を支援

なぜ訪日客は顧客として重要なのか。それは小売店にとって「儲かるお客」だからだ。旅行ができるのはある程度経済的に余裕がある層であり、かつ楽しみのための旅行先では節約を考えたくなくなるのは万国共通だ。このため、観光客の購買力は、その土地の住民の5~10倍に上るとも言われる。

そこで、JSTOがこれまで力を入れてきたのが、外国人旅行者向け消費税免税制度を利用できる「免税店」を増やし、支援する活動だ。2014年4月の時点で6000店舗に満たなかった免税店だが、2018年には5万店舗超と、急激に増加している。

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