ラクガキでアイデア創出 描くことで創造性を解放し、仲間をつくる

企業のインハウスデザイナーとして働きながら、ラクガキコーチとして活動するタムラカイ氏。ワークショップ開催、書籍出版という社外での実績を、企業社員としても生かす道を選んだ。手を動かしてアイデアを考えるラクガキは、様々なシチュエーションでイノベーターに役立つ。

タムラ カイ(グラフィックカタリスト/ラクガキコーチ)

タムラカイ氏は、「ラクガキ」を通じてビジネスや生活を豊かにする活動を行っている。グラフィックカタリスト・ラクガキコーチとして活動する同氏のミッションは、「世界の創造性のレベルを1つあげる」ことだ。

話し合いの内容を記録したり、アイデアを共有したりするために「絵」を活用する手法は、グラフィック・レコーディングとも呼ばれ、会議を活性化する手法としても注目されている。タムラ氏はグラフィックカタリスト・ビオトープ(GCB)という組織の発起人でもあり、「描くこと」を通じてコミュニケーションを活性化する触媒となる人を、イベントや会議に送り込んでいる。

そして同氏はまた、富士通デザインに所属する企業のデザイナーでもある。絵を通じた創造性の解放と、企業の中で「新しいことを始める変わった人」であることについて、タムラ氏が経験を語った。

ラクガキで深く考える

タムラ氏のラクガキは、上手な絵を描くことを目指してはいない。絵を描きながら考えを深めることを目的としている。人間は考えるときに言葉を使う。そこに絵を加えることで、思いや感情を深堀りすることが可能になる。他人に自分の考えやアイデアを伝える際にも、絵をプラスすることで、より説明しやすくなる。描くことのハードルを下げるため、用いるのは簡単な線や図形だ。円と簡単な眉毛、目、口のパーツを組み合わせて様々な表情の「顔」を作り、それぞれが示す感情からシチュエーションを想像したり、簡単な絵でアイデアを取り巻く世界観を表現したりする。

タムラ氏によるラクガキの一例。手を動かすことでアイデアを生み、深化させ、人に伝えていく

「事業のアイデアを持っている人は、それが実現した未来の社会がどうなるかを周囲に伝える必要がある。それを絵に描くことで、無意識に考えていたことも可視化できます。ラクガキは、より深く考える手掛かりになるのです」。

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