2019年12月号
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「事業をつくる人」を育てる

HR Techの向かう先 テクノロジーが人材戦略を変える

坂本 竜(ウィルグループ 執行役員兼ウィルテクノロジーズ本部 本部長)

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HRTechの進化は、人材に関わる経営戦略をどのように変えていくのか。HRTechに特化したファンドを運営し、国内外のスタートアップに投資する人材サービス会社・ウィルグループの担当者に、HRTechの最新動向について話を聞いた。

坂本 竜 ウィルグループ 執行役員兼ウィルテクノロジーズ本部本部長

HRTech市場が日本でも拡大

――国内におけるHRTech(人材×テクノロジー)の市場動向について、どのように見ていますか。

坂本 HRTechは、国内では2013年頃から市場が生まれ始めて右肩上がりで成長し、ミック経済研究所の調査では、2019年度のHRTechクラウド市場規模は約350億円と見込まれています。

国内で市場拡大を後押ししている最も大きな要因は、労働力人口の減少です。人材の奪い合いが激しさを増すなかで、人事担当や経営者は、従業員の離職率やエンゲージメント(所属する企業への愛着心や貢献意欲)などに注目せざるを得なくなりました。

しかし、離職率を改善したりエンゲージメントを高めたりするには、そもそもの前提として、それらを測定する必要があります。HRTechでよく言われるのが、測定できれば向上できる。学校のテストの点数と同じで、測定の結果が数字で示されると、その数字を少しでも上げたくなります。

人事が経営トップから「優秀な人を採りたい」「社員の定着率を上げたい」などと相談された時に、効果的な施策を立案するためには、数字がないと何も始まりません。

数字や情報を収集・分析するためのツールとして、HRTechを導入する企業が増えています。

――HRTechも他のIT分野と同様に、米国のほうが先行しているのですか。

坂本 米国では2000年代前半からHRTechが登場し、市場規模も圧倒的に大きくなっています。

日本がHRTechで遅れた理由の1つは、雇用の流動性の違いです。米国は、転職しながらキャリアアップを目指す社会ですから、会社を移るのは当たり前。一方、日本では、最近まで終身雇用制度が続いていました。従業員が辞めずに定年まで勤めるのが一般的という状況では、エンゲージメントなどの大切さを訴えても、あまり理解されません。

しかし、日本の労働市場も変わりつつあります。今年、トヨタ自動車の豊田章男社長が「終身雇用を守っていくのは難しい」と発言しましたが、国内でも雇用が流動化しつつある。HRTechが注目を集める背景には、こうした環境変化もあります。

HRTechの新しいトレンド

――HRTechには、採用や労務管理、人材の育成・活用など様々な分野がありますが、今、どのような領域が盛り上がっているのですか。

坂本 HRTech関連で今、注目を集めているキーワードは「Employee Experience(エンプロイー・エクスペリエンス)」。この10月に米国ラスベガスで世界最大級のHRTechカンファレンスが開催されましたが、そこでのテーマも「エンプロイー・エクスペリエンス」でした。

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