2019年12月号
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対話の場が生む構想『賢者たちのダイアローグ』ほか注目の新刊

月刊事業構想 編集部

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――本書の核心であるトポス会議が始まった契機は何でしょうか。

2008年のリーマン・ショック後、米国が将来アジア地域で脅威となるアイデアや人材を調査しているのを知りました。その後、日本の頭脳流出やプレゼンスを憂慮し「日本発の知の場づくりが必要」と考え、野中郁次郎先生と共に任意団体「ワールド・ワイズ・ウェブ・イニシアティブ(w3i)」を立ち上げたのが端緒です。富士通総研が事務局を引き受けてくれ、現在の体制になりました。

――会議の特徴とは何でしょうか。

日本の存在が地盤沈下する一方で、世界では再び新しいモードでのグローバル化が進んでいます。トポス会議は、国内外の「賢人」ネットワーク形成を狙いに、これまで100人超の経済人・学識者・政策決定者が参加してきました。

今人気のテーマで議論するのでなく、今後重要になるテーマで対話します。そもそも、ギリシャ語のトピックとトポス(場)は語源が同じで、場と知は一体化したものなのです。何が未来の智慧かを、賢人を招聘し、問う場としました。

会議の進行は、「問題を立て・批判的に深め・綜合する」という弁証法的な正反合の三段階です。哲学者・芸術家・ビジネスなど、異なるフィールドの賢人が集い、知を止揚するのです。そこではファシリテーションより、どういうプロセスで議論するかという「場づくりの術」が求められます。聴衆からの反応もムードメーターという手法で測り、登壇者に温度感を伝えるようにしています。

――会議が目指す「新しい知のあり方」 とは何でしょうか。

かつては知の創造というと、操作的なステップの発想技法、ないし個人の奔放な感性と悟性の力によるものでした。しかし、今企業人や学識者は、従来の知の技法だけで未来を考え、成長の基盤とすることの限界に気付いています。個々の思考だけでなく、当会議のように「場が構想をつくる」形は、これらに代わる方法論だと考えています。日本だからなし得る新たな知の胎動を、本書から感じ取っていただければ幸いです。

賢者たちのダイアローグ

――「トポス会議」の実践知

  1. 野中 郁次郎・紺野 登 著
  2. 2019年5月刊
  3. 本体3,600円(+税)
  4. 千倉書房

 

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