2019年8月号
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ザ・ライバルズ

サーキュラー・エコノミー対決!ユニ・チャーム vs. 帝人

月刊事業構想 編集部

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資源、資産、製品需要、潜在価値の無駄を見直して新しい価値を生み出すサーキュラーエコノミーの取り組み。先駆的な日本企業、ユニ・チャームと帝人のこれまでの歩みを見る。

資源循環利用のモデル的な2つの
企業

資源、資産、需要、価値などの無駄を見直し、再生・循環し続けることで利益を生むサーキュラーエコノミー。その概念には、「循環型経済」という訳語には収まりきらない広がりと、今後の企業活動、大量消費・大量廃棄社会を変革する計り知れないポテンシャルがあるが、日本には、既にそのモデル的な取り組みが始まっていた。

2016年、ユニ・チャームは、鹿児島県志布志市で紙オムツのリサイクル実証実験を行った。市内の使用済み紙オムツを集めて、地域のリサイクルセンターでパルプを再生する取り組みだ。同社が使用済み紙オムツからパルプを再生して循環利用する技術を確立したのは2015年。使用済み紙オムツを分解、取り出したパルプをオゾン殺菌することで、新品を超える質のパルプにできる。2019年には、志布志市と地域活性化を目指す包括連携協定を結び、紙オムツ再資源化の事業化を目指す。

2018年の紙オムツ生産量は、乳幼児用・大人用合わせて約235億枚。高齢化の進展で大人用紙オムツ使用量は今後も増加するが、使用済み紙オムツは、再生紙にできる古紙と違って焼却処分するしか方法がなかった。これを再生して循環利用できれば、メーカーは原料コストを低減でき、焼却を担う自治体は処理費を削減でき、地元のリサイクル業者は再生パルプの販売で収益を上げられる。もちろん、森林資源の保全や、製造時のエネルギー削減にも貢献する。まさに、CSRを超えて、廃棄物や資源の循環を経済的な枠組みでとらえなおすサーキュラーエコノミーそのものの取り組みだ。

資源を循環利用する考え方は、欧州委員会でサーキュラーエコノミーという概念が提案された2015年から遡ること13年前、帝人が確立していた。ポリエステル繊維製品を分子レベルに分解、石油から製造したものと同レベルの繊維原料に再生するケミカルリサイクル技術を実用化したのだ。樹脂材料の再生などで一般的なマテリアルリサイクルでは、再生された製品が結果として劣化し、廃棄につながるが、科学的に分子レベルまで分解するケミカルリサイクルなら、その懸念はない。

帝人は作業着やスポーツ衣料などのポリエステルを、広く内外の企業などから回収する「エコサークル」を構築、資源循環のモデル的な取り組みを進めてきた。原料化を行ってきた中国で、廃棄物由来原料の輸入が禁止・制限されたことに伴って、残念ながら2018年に回収を中止したが、サーキュラーエコノミーの先駆者として、何らかの形で再びリーダーシップを取っていくことが望まれる。

再資源化技術が集積する日本ではサーキュラーエコノミーは具現化しやすい。今後意義ある取り組みが続々生まれることに期待したい。

両社概要

ユニ・チャーム

設立 1961年2月
本社 東京都港区
代表 高原 豪久(代表取締役 社長執行役員)
社員数 合計16,207名(2018年12月)
資本金 15,992百万円
グループ会社 ユニ・チャームプロダクツ
ユニ・チャーム国光ノンウーヴン
コスモテック等 合計70社
事業内容 ●パーソナルケア関連製品
 ベビーケア、フェミニンケア、ヘルスケア、
 クリーン&フレッシュ
●ペットケア関連製品
●産業資材、食品包材

出典:同社ホームページ、有価証券報告書

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