千葉市長が語る ツイッター発信と「公共」への希望

「海辺」や「緑・里・農」などの地域資源を掘り起こし、千葉市を活性化させている熊谷市長。賛否両論があるようなテーマにも果敢に挑み、自らの声を積極的に発信する。熊谷市長の政策を支える信念や時代観、「公共」への意識について、話を聞いた。

熊谷 俊人(千葉市長)

東京から近い「田舎」という強み

――千葉市は「海辺」という地域資源を活かし、幕張新都心に多くの人を呼び込んでいます。

熊谷 幕張新都心には素晴らしい「海辺の空間」があり、おそらく世界を見渡しても、人口1000万人以上の巨大都市に隣接しながら、これだけのビーチが存在する場所は他に無い。それは自然と生まれたわけではなく、海辺を埋め立てて人工海浜をつくり、行政が独占していた空間を民間に開放したことで、商業的な価値が高まりました。

幕張新都心は、日本初の大型コンベンション施設「幕張メッセ」を備えたMICE拠点でもある。熊谷市長は「常に最先端で、日本のどこよりも世界を感じられる場所であること。それが幕張新都心の存在意義」と語る

3つの人工海浜の1つである稲毛海浜公園では現在、民間事業者と連携してリゾート感あふれるリニューアルを進めており、白い砂浜への改修や海へ延びるウッドデッキなどの整備を進めるとともに、グランピング施設や温浴施設などの計画も動き始めています。これから千葉市のイメージは、劇的に変わっていくでしょう。

また、内陸部には「緑・里・農」などの豊かな地域資源があります。

それらを活かすための取り組みの1つとして、泉自然公園において、民間事業者により森林を活かした自然共生型のアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー・千葉」が整備されるなど、民間活力の導入を進めています。そこでしかできない体験を提供し、東京から近い「田舎」として、東京の裏庭的な世界観を強化していきます。

――千葉市は東京から近いというメリットを活かしながら、東京とは異なる特徴を打ち出すことで、競争力を高めています。

熊谷 首都圏の多くの町が"東京化"している中で、千葉市は評価軸を変え、東京とは異なる発想でまちづくりを進めています。

都市別の住みやすさランキング等を見ると、東京で働くという前提でランク付けされることが多くなっていますが、千葉市は首都圏でも昼夜間人口比率が高い。つまり、産業の基盤がある千葉市には、周辺地域から働きに来る人がたくさんいます。

今、「働き方改革」が言われていますが、通勤に長い時間をかけていたら、それを実現するのは大変です。千葉市でなら、職住近接のライフスタイルを実現しやすい。また、自分の住む町で働けば、地域への帰属意識、参加意識も持ちやすくなります。

千葉市は地方の拠点都市として、東京にはない価値観をしっかりと明示することを重要視しています。

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