台風被害に遭った「高野山の鉄道」が復旧 南海電鉄で世界遺産へ
南海電気鉄道株式会社(南海電鉄、社長・遠北光彦)では、2017年10月に発生した台風21号の影響により、高野線・高野下駅~極楽橋駅間で列車の運転を見合わせていたが、3月31日の始発列車から運転を再開した。これに伴い、春の高野山を訪れる観光客を対象に、運転再開に合わせた各種キャンペーンを実施中だ。
2017年10月23日、台風21号に伴う大雨によって地すべりが発生し、高野線・上古沢駅構内にて、幅約60m、斜距離約100m、深さ最大約23mにわたって地すべりが発生し、上り分岐器付近の路盤が下がっているのが発見された(南海電鉄および和歌山県の現場検証による)。南海電鉄は和歌山県の支援を得て地すべり対策を中心とした復旧工事に取り組み、行楽期に合わせた列車の運転再開にこぎ着けた。
南海高野線運転再開
キャンペーン概要
南海電鉄は、世界遺産にも認定されている高野山と大阪・難波を結ぶ鉄道会社だ。欧州からの観光客が多いことから日本の鉄道会社で唯一、フランス語でケーブルカーの車内放送もおこなっている。今回の運転再開にあわせて同社では以下3つのキャンペーンを実施する。
(1)高野山グルメ無料キャンペーン(4月1日~4月27日)
(2)天空スクラッチキャンペーン
(3月31日~5月29日)
(3)高野山金剛峯寺 宝物特別展示
(4月1日~5月6日)
高野山では寺社と精進料理が有名であるが、散策のお供に食される茶菓はさほど知られていない。同社の「高野山・世界遺産きっぷ」を購入した乗客に、高野山内の土産物店や飲食店で使用できる「お土産引換券」をプレゼント。このように現地の観光関係者との食の回遊企画は、今回が初めてとなる。
一日3往復運行する観光列車「天空」では、座席指定券を購入した乗客に、もれなく当たるスクラッチカードを配布し、天空グッズなどの賞品をプレゼントする。
また、高野山は標高1000m級の山々に囲まれた盆地に位置し、森林セラピーの地域にも選ばれている。今回企画される金剛峯寺での宝物特別展示(中島千波作「桜の間 障壁画」)は、都心の喧騒を離れ華やかな春の香りを味わってもらえるものになっている。
また南海電鉄は、JR西日本や田辺市等との連携で、高野山と熊野本宮大社を結ぶ路線バス「高野山・熊野 聖地巡礼バス」の運行を支援している。和歌山県北部の主要な観光地・護摩壇山や龍神温泉にも停車し、道中の観光や散策を楽しむこともできる。