失敗から生まれた人気資格 介護保険外サービス参入のヒント

2014年に創設された民間資格「レクリエーション介護士」は、わずか3年で資格取得者が1万8000人を超えた。資格を発案したBCCの伊藤一彦社長に、急成長の理由と、保険外サービス参入のポイントを聞いた。

伊藤 一彦(BCC 代表取締役社長)

高齢者向けに、公的介護保険ではまかないきれないニーズに応える公的介護保険外サービス。高齢者のQOL向上や生きがい創出を目指して、旅行や外出支援、美容、食事、見守り、家事代行など、さまざまなビジネスが登場しており、異業種からの参入も多い。ただ保険外サービス市場はまだ黎明期であるため、サービスの認知度も不足しており、や収益化に苦労する企業も多い。

そのなかで、右肩上がりに業績を伸ばしているのが、介護レクリエーション事業(以下、介護レク事業)を手掛けるBCCだ。大阪に本社を置く同社はもともとIT営業アウトソーシング事業を手掛けていたが、2012年に介護レク事業に参入。社内カンパニー制を採用しており、現在、IT関連は営業創造カンパニー、介護レク事業はスマイル・プラスカンパニーが担い、事業の二本柱となっている。

スマイル・プラスカンパニーが主に手掛けるのは、同社が生み出した「レクリエーション介護士」という民間資格の運営管理と、資格取得者と介護施設のマッチング事業だ。

レクリエーション介護士とは、介護や高齢者に関する基礎知識を有し、なおかつ自分の趣味や特技を活かした介護レクリエーションを企画・提案・実施する技能を持つ人材で、2014年9月にこの資格制度をスタートしてから3年で、2級資格の取得者は1万8000人を超える。マッチング数も増え続けているほか、自治体と連携して高齢者向け施設の運営などにも乗り出し、事業の多角化を進めている。

図1 レクリエーション介護士制度の仕組み

(出典)BCCスマイル・プラスカンパニー

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